フランスの海洋サービス会社シー・オウルは9日、無人運行船の実証実験段階に入った。衛星によって遠隔操縦される船には乗組員は乗っていない。運用コストを削減できる未来の船舶として、有望視されている。
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『レゼコー』によると、南フランスにあるトゥ-ロン湾で9日、船長も船員もいない船の実証実験が始まった。
沖合にある石油プラットフォームを曳航したり、停泊させたりするために使用される「海のトラクター」の愛称で親しまれている全長80メートルの船「VN REBEL」は、9日から11日の間に各45分間の実証実験を3回行う予定となっている。
「VN REBEL」には誰も乗っておらず、船長はトゥ-ロン湾から830km離れたイル・ド・フランス地域圏にある公立高等教育機関ポリテクニックのキャンパスから、リモートで操縦する。...
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『レゼコー』によると、南フランスにあるトゥ-ロン湾で9日、船長も船員もいない船の実証実験が始まった。
沖合にある石油プラットフォームを曳航したり、停泊させたりするために使用される「海のトラクター」の愛称で親しまれている全長80メートルの船「VN REBEL」は、9日から11日の間に各45分間の実証実験を3回行う予定となっている。
「VN REBEL」には誰も乗っておらず、船長はトゥ-ロン湾から830km離れたイル・ド・フランス地域圏にある公立高等教育機関ポリテクニックのキャンパスから、リモートで操縦する。
これは、海事サービスに特化したフランスの会社シー・オウルが研究開発費400万ユーロ(約5億円)かけて、4年近くにわたって取り組んできたプロジェクトである。
『ルフィガロ』によると、シー・オウル社のCEOグザビエ・ジュナン氏は、衛星遠隔操作システムを利用した、無人船舶の航海免許を取得する最初の人物になることを目指している。遠隔操作型や全自動型の軍艦は存在しているものの、商船用の運航免許を取得する会社は、世界初となるそうだ。
衛星遠隔操作には、世界最大の衛星通信プロバイダであるマーリンクが使用されている。船は陸から操縦されるため、乗組員の補充問題や海上での活動、海賊などのリスクを最小限に抑えることができる。ジュナン社長によると例えば現在、西アフリカの海上施設では、新型肺炎のために航空サービスが止まっているため、約20人が足止めされているという。
今回の実証実験が無事成功すれば、同社は2023年から2028年の間に、石油・ガス・風力発電所の水中検査用の遠隔操作式の船、約20隻を建造する予定だという。
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