フランスのスタートアップ企業が、検査機関を通さずに30分ほどで新型肺炎の感染を判定できるPCR検査機を開発した。販売許可を取得したばかりで、フランスの大手企業などと今後の販売について話し合いをすすめている。
『BFMTV』によると、フランスのバイオテクノロジー専門の新興企業Loop Dee Science社は、数ヵ月に及ぶ研究の末、新型肺炎の検出を30分で可能とする検査機「ループ エックス(Loop X)」を開発した。新しい検査機は、検査機関を通さずにPCR検査を受けたその場所で結果を知ることが出来る。様々な組織が利用できるようになれば、今後は場所を問わず迅速に検査を行うことが可能になる。
Loop Dee Science社による検査機の開発には、ノルマンディー地方と国防省の機関である装備総局(DGA)が支援の手を差し伸べた。...
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『BFMTV』によると、フランスのバイオテクノロジー専門の新興企業Loop Dee Science社は、数ヵ月に及ぶ研究の末、新型肺炎の検出を30分で可能とする検査機「ループ エックス(Loop X)」を開発した。新しい検査機は、検査機関を通さずにPCR検査を受けたその場所で結果を知ることが出来る。様々な組織が利用できるようになれば、今後は場所を問わず迅速に検査を行うことが可能になる。
Loop Dee Science社による検査機の開発には、ノルマンディー地方と国防省の機関である装備総局(DGA)が支援の手を差し伸べた。開発そのものはフランス北部にあるカーン大学病院と、アップルやサムスン、ソニーなどと働く世界的なスタートアップEldim社と共同で行われた。
Loop Xは、フランス保健規制当局からの販売許可も無事おり、法外な価格ではないことからも、様々な国や機関の関心を集めている。検査機は約1000ユーロ(約12万円)、試薬には約20ユーロ(約2500円)かかる。
社員や職員をすばやく検査したい企業や研究所、病院、または軍隊などが潜在的なユーザーだが、ノルマンディーの地方当局とカーン大学病院が最初の利用者に可能性がある。
『レゼコー』によると、Loop Dee Science社はフランスの大手企業と話し合いに入っており、スペイン、北西アフリカ諸国、中国なども興味を示しているという。
同社のルイ・マリー・ロック社長は「我々の研究の中心は、検査機関による分析を(検査を実施する)現場で行えるようにすることだ。獣医師と協力して、犬などのコロナウイルス検査の自動化に取り組んできたが、今年の1月から開発の方向性を変えた」と述べ、「我々は検査機関の競合相手ではなく、補完する存在である。こうしたリモートツールは、技術革新である。」と説明している。
検査機は、DNAに非常に近い、ウイルスのRNAの等温増幅法による分析を行い、分析結果は、感度と特異度が96%と特に信頼性の高いものだという。
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