新型肺炎の新規感染者がまた急増しているフランス。感染者の増加傾向に地域格差が見られるものの、職場クラスターによる感染拡大が目立つようになっている。首都パリを中心としたイル=ド=フランス地域圏だけでも、61件の職場クラスターが確認されている。
『レゼコー』は、フランスでは最近、家族や友達同士の集まりなどよりも、むしろ職場が新型肺炎の主な感染経路になっていると報じている。フランス国内の職場クラスター数は、7月末に65件だったのに対し、8月初旬には91件発生しており、職場での集団感染は増加の一途をたどっている。
フランス保健当局によると、8月初旬、フランス首都圏およびフランス海外県・海外領土で報告された609のクラスターのうち、医療機関以外の企業でのクラスターは134件、約22%を占めていた。...
全部読む
『レゼコー』は、フランスでは最近、家族や友達同士の集まりなどよりも、むしろ職場が新型肺炎の主な感染経路になっていると報じている。フランス国内の職場クラスター数は、7月末に65件だったのに対し、8月初旬には91件発生しており、職場での集団感染は増加の一途をたどっている。
フランス保健当局によると、8月初旬、フランス首都圏およびフランス海外県・海外領土で報告された609のクラスターのうち、医療機関以外の企業でのクラスターは134件、約22%を占めていた。
公衆衛生リスクの分析と管理の専門家であり、フランスの公衆衛生高等研究院で教えているミシェル・レジェアス教授は「職場では人が1日8時間一緒に仕事をしており、感染対策も簡単には適用できるものではない。湿度の高い密室の環境になると、換気システムを通してより多くの人々 がウイルスにさらされている」とコメントしている。
これまでも5月に約50人が食肉処理場で集団感染している。7月にも原子力発電所で23人の集団感染が報告されている。
8月に入ってからも、南仏地域の保健当局が11の職場クラスターで80人の感染が確認されたことを報告している。
フランス北部にあるイル・ド・フランス地域圏でも、医療機関を含む職場でのクラスターが61件報告されている。そのうちの半数近くが民間企業や団体活動で発生しており、17件は、パリ市内で起きている。
『BFMTV』は、集団感染が発生しやすい場所は、7月末時点で1位が国有又は民間企業、2位が公共又は民間施設、3位が家庭内、4が医療施設、5位が援助機関、6位が学校だったと報じている。
『ルフィガロ』によると、フランスでは7月に入ってから、新型肺炎に関するいくつかの数字が再度上昇し始めているという。7月頭には1.25%あたりで推移していた陽性率は8月頭に2.2%まで上昇している。
集中治療室にいる患者数も、4月以降は着実に減少していたものの、8月に入ってから増加傾向に変わった。10日時点で集中治療を受けている人は372人で、前週の7日よりも13人多くなっており、8月頭よりも28人増となっている。
マクロン大統領は、ツイッターで「伝染病は休暇を取らない。感染対策を守ることと警戒することは依然として重要である。用心してください」と国民に呼び掛けている。
閉じる