台湾の英雄で、内外から「民主先生(ミスター・デモクラシー)」と慕われた李登輝(リー・トンホイ)元総統が7月30日、97歳の生涯を閉じた。しかし、あろうことか中国国営メディアは、二国論を推進して中国と台湾を分断した“国家的犯罪者”だと死人に鞭打つ記事を掲載して、民度の低さを露呈している。
7月31日付米
『ブライトバート』オンラインニュース:「中国、台湾の民主主義の父を“裏切り者”、“国家的犯罪者”と呼び、死去は“全く悲報に当たらず”と酷評」
中国国営メディア『環球時報』は7月30日、台湾で初めて選挙で選ばれた総統だった李登輝氏の死去について、同氏を“国家的犯罪者”と蔑んだ上に、“全く悲報に当たらず”との誹謗中傷記事を掲載した。
同メディアは更に、同氏が未熟な台湾を籠絡して中国との分断を推進した“裏切り者”で、中国共産党の誰も“快く思っていない”と糾弾した。...
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7月31日付米
『ブライトバート』オンラインニュース:「中国、台湾の民主主義の父を“裏切り者”、“国家的犯罪者”と呼び、死去は“全く悲報に当たらず”と酷評」
中国国営メディア『環球時報』は7月30日、台湾で初めて選挙で選ばれた総統だった李登輝氏の死去について、同氏を“国家的犯罪者”と蔑んだ上に、“全く悲報に当たらず”との誹謗中傷記事を掲載した。
同メディアは更に、同氏が未熟な台湾を籠絡して中国との分断を推進した“裏切り者”で、中国共産党の誰も“快く思っていない”と糾弾した。
実際問題、李氏は1988年~2000年の間総統職にあったが、1996年に台湾初の総統選挙を実施して台湾に民主主義の心をもたらし、また、中国共産主義とは一線を画し、台湾は中国の一部とする主張は虚言として“二国論”を推進した。
かかる経緯もあって、同メディアは中国共産党の意を酌んで、李氏の台湾愛国心を煽る行動は中国人にとっては恥ずべき変節だとし、“台湾分断の首謀者”だと非難することで体裁を保とうとしている。
また、同メディアは7月31日報道でも、李氏の死去を“利用して”、米国や台湾分離主義者が民主主義を促進しようとするだろうと指摘している。
一方、中国外交部(省に相当)の汪文斌(ワン・ウェンビン)報道官は、“これで台湾分離主義は終焉を迎える”とし、“誰も中台統一の動きは止められない”と表明した。
更に同報道官は、“どの関係国に対しても一つの中国原則を尊重し、かつ、台湾分離主義勢力に対して間違った情報を発信しないよう求める”と強調した。
同日付中国『環球時報』:「台湾民進党、李登輝死去を“政治利用”」
“台湾分断の首謀者”である李登輝の死去について、マイク・ポンペオ米国務長官や蔡英文(ツァイ・インウェン)現台湾総統などが政治利用しようとしている。
中国政治評論家によれば、彼らはこれを機に分断を促進し、反中国主義を広めようと画策しているという。
まず、台湾分離主義を標榜する民進党々首である蔡総統は7月30日、李死去に伴って“最高レベル”の葬送を施すよう関係機関に指示を出した。
これについて評論家は、李を崇めることで、同党の分離主義を正当化しようとする試みに他ならないと分析する。
また、ポンペオ長官は、“米国民を代表して、台湾元総統の逝去に哀悼の意を捧げる”とし、“同氏の12年間の総統職の下、台湾の民主化が進捗した”との声明を出している。
この声明は、中国中央政府をただ怒らせたいだけであるし、また、台湾の民主化とは、台湾人(別称本省人)と戦後中国本土から移住の中国人(同外省人)の分断の上に築かれたものだ、ということを理解していないと評価される。
なお、これらの不届きな動きに対して、外交部の汪報道官は7月31日の定例会見で、“台湾分離主義はこれで終焉を迎える”とし、“歴史の流れに沿って、中台統一が促進されようし、何人もこれを阻止することはできない”と表明した。
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