1週間前のアジア太平洋地域主要国の現状(2)で報じて以来、引き続き感染者数は各国で増加しているが、産業界及び市民からの突き上げもあって、それぞれ都市封鎖緩和や解除へと移りつつある(記事中のデータは、米ジョンズ・ホプキンス大学集計の7月31日午後6時現在の数値)。
7月31日付
『AP通信』他:「アジア太平洋地域の新型コロナウィルス(COVID-19)感染状況」
<注目ニュース>
●インド;依然感染者急増傾向なるも、政府は8月1日から夜間外出禁止令を解除、また、8月5日からヨガ教室やジム再開を許可。
●インドネシア;バリ島が国内の旅行者を7月31日に受け入れ開始、外国人旅行者受け入れは9月1日と発表。
●フィリピン;感染急増地域を除いて徐々に都市封鎖措置を解除。ただ、マニラ首都圏の行動制限は8月1日期限を15日まで延長。
●ネパール;海外航空便の受け入れ及びヒマラヤ山脈への登頂も8月から再開。
<インド>(感染者164万3,543人、死者3万5,817人、致死率2.2%)
・保健省が、7月31日一日の感染者が5万5,079人となり最多更新と発表。
・死者数も一日で779人となって総数が3万5千人超となったが、他国の場合と同様、COVID-19検査が十分実施されていない場合があり、実際の感染による死者は遥かに多い可能性大。
・しかし、内務省は8月1日から夜間外出禁止令を解除し、また8月5日からはヨガ教室及びジムの再開も許可。
・また、首都ニューデリーのホテルも営業再開許可。
・ただ、地下鉄、映画館、プール、遊園地、バー、劇場、その他集会場等は8月31日まで閉鎖継続。
<インドネシア>(感染者10万8,376人、死者5,131人、致死率4.7%)
・リゾート地バリ島が国内の旅行者を7月31日から受け入れ再開。
・ただ、外国人旅行者の受け入れは9月1日以降。
・同島の最大の収入源は観光業だが、COVID-19感染流行問題で観光客激減。
<フィリピン>(感染者8万9,374人、死者1,983人、致死率2.2%)
・ドゥテルテ大統領は、全国的な都市封鎖措置は緩和し、引き続いての厳しい措置は感染が深刻な地域に限定すると発表。
・依然感染者・死者とも増加傾向にあるが、幅広い地域での経済活動再開を求める声に従う必要があったため。
・ただ、マニラ首都圏の行動制限については、8月1日解除予定を15日まで延長決定。
<ネパール>(感染者1万9,547人、死者52人、致死率0.3%)
・海外航空便の受け入れ及びヒマラヤ山脈への登頂も8月から再開。
・外国人登山者は同国に年3億ドル(約315億円)の収入をもたらすが、春の登山シーズンは棒に振ったため、9月からの秋季登山シーズンの来訪に期待。
<中国>(感染者8万4,292人、死者4,634人、致死率5.5%)
・新疆ウィグル自治区首府の烏魯木斉(ウルムチ)における7月31日の感染者が112人となったため、同地への出入りについて14日間の隔離等厳しい措置を導入。
・中国本土のその他地域では、遼寧省(リャオニン)大連(ダーリェン)を除き概ね収束傾向。
・香港では7月31日に150人感染していることから、短時間のレストラン営業を除き、バーや遊園地は引き続き閉鎖されていて、3人以上の集会も禁止のまま。
<韓国>(感染者1万4,305人、死者301人、致死率2.1%)
・韓国疾病予防管理センターは、7月31日の感染者は36人で、そのうち22人が外国からの来訪・帰国者と発表。
・また、直近数週間の感染者の多くは、感染が深刻なイラクに赴いて後に帰国した建設労働者や、港に停泊中のロシア貨物船の乗組員。
<オーストラリア(豪州)>(感染者1万6,303人、死者189人、致死率1.2%)
・ビクトリア州の7月31日の感染者は627人、死者は8人と依然深刻。
・同州のダニエル・アンドルーズ知事は、6週間の都市封鎖措置の半分が過ぎたが、今後の対応については感染状況を更に分析して検討するが、“残念ながら依然感染が深刻なことは理解できると思う”と強調。
<ベトナム>(感染者509人、死者1人、致死率0.2%)
・保健省が、7月31日の感染者は45人と、3ヵ月前の感染収束以来最多だったと発表。
・ただ、全感染者はダナン病院関係者、入院患者及びその家族に限られており、感染拡大措置を実施済み。
・ダナンは多くの観光客や休暇を楽しむ人たちで賑わうビーチリゾートであることから、念のため7月28日から出入りを厳しく制限。
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