7月22日付
『CNBCニュース』(
『ロイター通信』配信)他:「アジア太平洋地域のCOVID-19感染状況」
<注目ニュース>
●インド、インドネシア、フィリピンでは、感染流行の第1波のピークに到達しておらず、依然増加の一途。
●インドは、感染者数が100万人以上となり、ロシアを抜いて世界3位(1位米国、2位ブラジルは変わらず)。
●日本、豪州でも、第1波の収束後、第2波が襲来し、再び急増。
<インド>(感染者124万1,653人、死者2万9,906人、致死率2.41%)
・先週、感染者数が100万人を超え、ロシア(感染者79万5,038人)を抜いて世界3位に躍進。
・ナレンドラ・モディ首相は、3月初めに全国に都市封鎖措置を講じたが、経済活動再開の圧力に屈し、6月初めに徐々に解除。
・感染者数増加の勢いは衰えておらず、疫学専門家は、同国で第1波のピークを迎えるのはまだ数ヵ月先との評価。
・人口が世界2位の13億人超であることから、感染者数はまだまだ大きく増えるとの懸念の声。
・ただ、7月23日現在、人口100万人当たりの死者数は21人と、米国の429人、英国の669人に比べて非常に低い。
・専門家は、インドの人口構成上、若年層が多いことが要因と分析。
<インドネシア>(感染者9万1,751人、死者4,459人、致死率4.86%)
・先週末、同国の感染者数は中国(同8万3,729人)を抜き、アジアでは、インド、パキスタン(同26万9,191人)に続き3位に躍進。
・人口が世界4位の2億7,300万人であることから、まだ感染第1波の真ん中辺りとの評価。
・専門家は、直近数ヵ月の間、政府が厳しい感染防止対策を遂行することに逡巡してきたことから、感染拡大が止まらないと非難。
・ジョコ・ウィドド大統領が先週、このままいくと感染のピークは8月とか9月になってしまうと危機感を抱き、漸く関係省庁に具体的感染抑制策実施を指示。
<フィリピン>(感染者7万2,269人、死者1,843人、致死率2.55%)
・同国は、中国に続いて、非常に早い段階で都市封鎖措置を断行。
・しかし、その後徐々に解除し始めたことに比例するように、感染者数が増加の一途。
・強権で知られるロドリゴ・ドゥテルテ大統領は、4月には都市封鎖措置に違反した者は射殺すると脅していたが、先週は、マスク不着用の場合は誰であっても逮捕すると宣言。
<日本>(感染者2万6,303人、死者989人、致死率3.76%)
・外出自粛措置等によって感染者数増加を抑えることができたが、7月以降再び急増傾向。
・しかし、政府は第2波の襲来と認めることに消極的。
・逆に、景気後退の波を押し戻すためとして、7月22日に全国の観光活性化の支援策を発進。
・ただ、感染者急増の中心である東京都をはずしたものの、観光客が地方に向かうことで感染が広く拡大していくリスクがあるとの批判の声。
<豪州>(感染者1万3,319人、死者128人、致死率0.96%)
・日本と同様、7月以降に再び感染者が急増。
・メルボルン(ビクトリア州)は豪州で2番目の最多人口の都市であるが、直近数週間の感染者増が集中していることから、州政府は、自宅外ではマスク着用の義務化等、部分的な都市封鎖措置を再び導入。
・同州に接する他の州は州境を封鎖。
・同州のダニエル・アンドルーズ知事は、今月初めに2千人以上の人たちが、陽性であったにも拘らず、感染対策等を一切講じずに外出していたと非難。
・同州保健省は、感染抑制対策の効果が表れるのは数週間先だとして、引き続き感染対策を徹底するよう注意喚起。
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