香港の公立図書館では、有名な民主活動家らの著作物が撤去され貸出停止となり、検閲に回されているという。先月末に施行された、国家転覆や分離活動、テロ行為等を取り締まる「国家安全維持法」による言論の弾圧だと懸念が広がっている。
7月4日付仏
『フランス24』(AFP通信引用)は「民主派著書が香港の図書館から消える」との見出しで以下のように報道している。
香港の著名な民主派活動家らが書いた本が、香港の公立図書館から消え始めていることが分かったという。これは中国により国家安全維持法が施行されたことによるもの。現在閲覧できなくなっている著作物の中には、香港で最も著名で若い活動家Joshua Wongのものや、有名な民主派議員Tanya Chanのものも含まれている。...
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7月4日付仏
『フランス24』(AFP通信引用)は「民主派著書が香港の図書館から消える」との見出しで以下のように報道している。
香港の著名な民主派活動家らが書いた本が、香港の公立図書館から消え始めていることが分かったという。これは中国により国家安全維持法が施行されたことによるもの。現在閲覧できなくなっている著作物の中には、香港で最も著名で若い活動家Joshua Wongのものや、有名な民主派議員Tanya Chanのものも含まれている。これまで言論の自由があった香港では、警察による独立自治運動家らの逮捕以来、既に懸念が広がっていた。Wongは。Facebook上で「白色テロの恐怖が広がっており、国家安全維持法は根本的に言論に罪を負わせるための道具だ」と主張し同法により撤去されたと考えているとしている。図書館では、少なくともWong、Chan、そして香港の学者Chin Wanが書いた3冊の著書が貸出禁止となっている。
本の撤去を受け、アカデミック上の自由の維持への懸念も広がっている。香港にはアジア有数の大学があり、中国ではタブーとなるトピックも議論したり執筆したりできるキャンパス文化がある。しかし、若者が率いた大規模な民主化デモの後、中国は香港に対し一層の愛国的教育を求める姿勢を明確にしてきた。
同日付香港『サウスチャイナ・モーニングポスト』は「国家安全法:香港の図書館で検閲のため地方主義や民主活動家らの本を撤去」との見出しで以下のように報道している。
香港の図書館から民主主義提唱者らの著書、少なくとも9冊が検閲のため撤去され貸出停止となっている。弁護士協会のフィリップ・ダイクス会長は、この動きに警鐘を鳴らし、当局は情報閲覧の権限の制限に当たらないか判断する必要があるとしている。香港の公立図書館を管轄しているレジャー文化サービス省は、書名を伏せて新法へのコンプライアンスに抵触しないか精査しているとしている。
活動家Joshua Wong Chi-fungの中国語の著書や、地方主義者Horace Chin Wan-kan、立法会議員Tanya Chanらの本が対象。Horace Chinは香港で最も有名な地方主義者で、香港は中国からの影響拡大に対抗するため、独自のアイデンティティを形成すべきと主張している。彼の著作6冊は、「香港国」シリーズで、ペンネーム Chin Wan で書かれた。Joshua Wongは最近になりデモシスト党の解散を発表し、「私の本は香港の逃亡犯条例反対運動よりずっと以前に書かかれたものだが、新法のもとに今検閲されようとしている。」として自身の著書2冊を見直すと述べていた。弁護士のHorace Chin Chanも、政府は新法は遡って適用されないとしているのに、何故彼女の2014年の著書「My Journeys for Food and Justice」が検閲対象なのか疑問なのだという。
中国と香港当局は、国家安全法はマイノリティを対象とし、言論の自由や集会は守られると強調していた。
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