6月9日付米
『ABCニュース』(
『AP通信』配信):「フィリピン国防相、領有権問題で揺れる南シナ海の島の恒久施設完工式に出席」
フィリピンのデルフィン・ロレンザーナ国防相は6月9日、国軍の高官を引き連れて、南シナ海スプラトリー(南沙)諸島内のティトゥ島(フィリピン呼称パグアサ島、タガログ語で希望の意)を訪れた。
現地で当日開催された、漁船等が停泊できる埠頭建設の一環となる、ビーチランプ(海岸~陸地を繋ぐ傾斜路)建設の完工式に列席するためであり、国内外に知らしめるためにジャーナリストも同行させている。...
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6月9日付米
『ABCニュース』(
『AP通信』配信):「フィリピン国防相、領有権問題で揺れる南シナ海の島の恒久施設完工式に出席」
フィリピンのデルフィン・ロレンザーナ国防相は6月9日、国軍の高官を引き連れて、南シナ海スプラトリー(南沙)諸島内のティトゥ島(フィリピン呼称パグアサ島、タガログ語で希望の意)を訪れた。
現地で当日開催された、漁船等が停泊できる埠頭建設の一環となる、ビーチランプ(海岸~陸地を繋ぐ傾斜路)建設の完工式に列席するためであり、国内外に知らしめるためにジャーナリストも同行させている。
式典の挨拶で同相は、長い間実効支配してきた同島を、軍事拠点化することなく広く一般市民が居住できる場所にするため、今後も“全力を挙げて”開発に取り組んでいくと発言した。
同島は、中国が同海域内で一方的に建設を進めたスビ礁人工島の近海にある。
しかし、同相は、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領と中国首脳らとの緊密な関係より、中国軍が同島駐留のフィリピン国軍に攻撃を仕掛けてくることはないと中国側も言っていると言及した。
同相は更に、フィリピンは同島含めて9つの島の開発権を有しているとも付言した。
当該ビーチランプ建設によって、フィリピン軍艦や貨物船の停泊が容易になり、建築資材や重機械の搬入が可能になる。
そこで同相は、今後の新規プロジェクト-海水で腐食の滑走路の修復、兵舎・一般市民住居・学校・水産物冷凍プラント・太陽光発電所建設、またラジオ放送局の設置等-詳細を披露した。
また、同島の漁船の緊急避難場所も既に完成していて、フィリピンの独立記念日である6月12日(1898年スペインからの独立を宣言)に完成式典が開催される。
一方、同相は、政府としてはトゥティ島にミサイル配備や大砲設置、またその他重武器の導入は全く考えていないとした。
しかし、同島と中国人工島のあるスビ礁に挟まれたサンディ・ケー(3つの砂洲からなる)が中比間の新たな対峙海域となっている。
すなわち、数年前にフィリピンが同砂洲に人工施設の建設に取り掛かろうとしたことから、中国側が猛反発してこれを阻止し、以降同海域に中国海警艦・漁船・軍艦を代わる代わる派遣して、フィリピン側動静を常時監視しているからである。
同日付フィリピン『マニラ・ブルティン』紙:「フィリピン、西フィリピン海のパグアサ島でビーチランプ完工式」
ロレンザーナ国防相が完工式を行った、パグアサ島のビーチランプは3年の歳月をかけて建設された。
同島には現在、200人程の漁民と、フィリピン海軍兵士らが居住しているが、同ランプ完成によって、同島の恒久施設の建設に拍車がかかることになる。
同ランプ建設は、同島の恒久施設建設計画の第一段階で、2億6,700万ペソ(約5億7,600万円)を要した。
そして、滑走路修復、兵舎・市民住居・学校・発電所等恒久施設の建設を含めた総合開発計画には13億ペソ(約28億円)が投じられることになる。
なお、今回の完工式が行われた6月9日は、同じく西フィリピン海内のリード堆周辺で、フィリピン漁船が中国船によって沈められた事件発生から丁度一年目に当たる。
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