新型コロナウイルス感染症による死者数が世界で5番目に多いフランス。ウイルス対応で最前線に立ってきたフランスの病院で、状況が大幅に改善してきた中、2ヵ月以上の間、感染患者への対応に追われてきた医療従事者達がひと時の間休みを取り再充電できるようにと、医療従事者を対象とした特別価格の休暇パッケージが提供されている。
『フランス アンフォ』によると、5月11日に新型コロナウイルス対策の経済活動制限が緩和されたあとも、フランスでは重症患者の受け入れが引き続き減少しているという。パリ公立病院連合(AP-HP)は、状況が大幅に改善したのを機会に、地域の観光業者と協力して、激務をこなしてきた病院スタッフが体力的にも精神的にも回復できるように、手ごろでお得な休暇を提供し始めたという。
『ルフィガロ』によると、医療従事者達が疲れを取ることができるようにと、観光業界全体で、医療従事者を対象とした夏休みのお得な休暇、旅行パッケージを提供しようという試みが増えているという。...
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『フランス アンフォ』によると、5月11日に新型コロナウイルス対策の経済活動制限が緩和されたあとも、フランスでは重症患者の受け入れが引き続き減少しているという。パリ公立病院連合(AP-HP)は、状況が大幅に改善したのを機会に、地域の観光業者と協力して、激務をこなしてきた病院スタッフが体力的にも精神的にも回復できるように、手ごろでお得な休暇を提供し始めたという。
『ルフィガロ』によると、医療従事者達が疲れを取ることができるようにと、観光業界全体で、医療従事者を対象とした夏休みのお得な休暇、旅行パッケージを提供しようという試みが増えているという。
最初の試みは、3月末に、フランス南西にピレネー=アトランティック県で、医療従事者達を支援する策として「ヒーローたちの休暇」と呼ばれる500ユーロ(約6万円)する休暇パッケージが200個提供された。
その後、同じく南フランスにあるヴァール県では、ホテル、キャンプ場、またはレストランなどが協力して1400の宿泊旅行、観光、美食やワイン試飲の旅などの無料招待券を医療従事者だけでなく、公共の場で働き続けた警察、レジ係、清掃作業員などに提供した。
また4月末には、トレーラーハウスでのキャンピングを専門としているホメール(Homair)社は、夏休みシーズンをとおして有効な1枚250ユーロ(約3万円)のキャンピング滞在券を提供したことが話題となった。フランス国内で104ヵ所、国外で26ヵ所のキャンピング場で使用できる。
同社社長は「医療従事者から8,000を超える申し込みをすでに受け取った。大成功であり、このような試みを増やす予定だ。残念なのは、すべての医療従事者キャンピング滞在券を提供することができないことだ」と述べている。
フランスの旅行ポータルサイトのEasyVoyagesのナディール社長は、「今夏は大々的な旅行シーズンにはならないことは明らかだ。需要よりも供給が多くなる中、最前線で戦った後に休暇を取る必要がある人達に活用してもらうべきだ」と説明し、こうした試みは単なる支援だけでなく、好循環を生み出すとも指摘している。
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