国際労働機関(ILO)は27日、新型コロナウイルスの世界的流行による経済的影響のために、世界で働く若者の6人に1人が職を失ったと発表した。学生の雇用の見通しは明らかに悪化しており、緊急措置が講じられない場合、若者世代が犠牲となるリスクがあると警告している。
『RFI』によると、ILOの調査の結果、新型コロナウイルスへの抵抗力が高い若者たちだが、逆にウイルスによる経済的影響の重い代償を払わされていることが分かった。今年に入ってウイルスの感染拡大に伴い、29歳以下の若者の6人に1人が仕事を失った。
若者の失業率は、ウイルスが世界的に流行する以前から、平均13.6%と、世界的に見ても最も失業率の高い世代だったが、ILO調査はそれが更に悪化すると予想している。...
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『RFI』によると、ILOの調査の結果、新型コロナウイルスへの抵抗力が高い若者たちだが、逆にウイルスによる経済的影響の重い代償を払わされていることが分かった。今年に入ってウイルスの感染拡大に伴い、29歳以下の若者の6人に1人が仕事を失った。
若者の失業率は、ウイルスが世界的に流行する以前から、平均13.6%と、世界的に見ても最も失業率の高い世代だったが、ILO調査はそれが更に悪化すると予想している。学業が中断されたり、就職や転職の可能性が脅かされたりするからだ。
ILOのガイ・ライダー事務局長は「我々がパンデミック(世界的大流行)から脱出すると同時に、多くの若者が取り残されることになるのではないか。若者の雇用危機はこれから10年またはそれ以上続く恐れがある。彼らは一生涯その傷を負い、働いている間その影響を受け続けることになるだろう」と懸念を述べた。
オンライン教育や在宅勤務ができるようになってきたが、途上国では若者の4分の3が非正規雇用であり、オンライン教育や在宅勤務は提供出来ない状態だ。
『レゼコー』は、ILOの調査によると特に宿泊、ケータリング、製造、卸売、小売業界で 2020年2月から4月にかけて、労働市場への若者の参加率が、オーストラリアで7.1ポイント、カナダで11.7ポイント、米国で7.5ポイント減少したと報じている。
また、世界の学生の約半数が学習に遅れが出ている可能性があり、10%は学習を完了できないとされている。ILOは、学生の半数以上が、パンデミックが始まって以来不安やうつ病に苦しんでいる可能性があるとも指摘している。そして、パンデミックによる不況により、今年又は来年高校や大学を卒業する若者は長期的な賃金の損失をこうむることになり、今後数年間は、仕事数が減った中でより高い競争率に直面しなければならないと警告している。
そのため、ILOは、各国が検査を大々的に行い、感染者をすぐに隔離していくことで、ロックダウンや外出制限を最小限にとどめて社会的弱者を守っていく必要性があると指摘している。また、例えば大々的な就職保証制度や訓練プログラムなど、若者をサポートするための緊急で的を絞った対策の必要性を訴えている。
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