特に、ケニヤやエチオピアからヨーロッパへのバラの輸出量は落ち込んでおり、これらの国の経済に大きな打撃を与えている。
ちなみに2018年にケニヤでは、バラなどの園芸花の輸出により13億ユーロ(=約1560億円)の外貨を獲得し、茶の輸出と観光産業に次ぐ3番目の外貨収入源となっていた。
同様にエチオピアについても20年前からバラ栽培を始めており、今年こそは、アフリカ第一のバラ輸出国の地位をケニヤから奪い取ろうとしていた。...
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特に、ケニヤやエチオピアからヨーロッパへのバラの輸出量は落ち込んでおり、これらの国の経済に大きな打撃を与えている。
ちなみに2018年にケニヤでは、バラなどの園芸花の輸出により13億ユーロ(=約1560億円)の外貨を獲得し、茶の輸出と観光産業に次ぐ3番目の外貨収入源となっていた。
同様にエチオピアについても20年前からバラ栽培を始めており、今年こそは、アフリカ第一のバラ輸出国の地位をケニヤから奪い取ろうとしていた。
ところで、アフリカで栽培された花は、ヨーロッパでは、オランダのアムステルダムの取引所に集められ、ケニヤ産のバラもエチオピア産のバラも競り市にかけられた後、ヨーロッパの各買主に分配される。
一方、最近の数年間でケニヤやエチオピアの各国内に取引所が開かれ、一部のバラはエチオピアのアジスアベバから直接ロシアに、またはケニヤのナイロビから直接米国に毎日空輸される。
そのため、コロナウイルス感染流行により、ひとたび、空輸便の数が制限され、ヨーロッパの市場での需要が落ち込むとケニヤで生産されたバラの70%は買い手が無くなり、処分されることになる。
ケニヤの園芸花協議会の会長によると、今回のコロナウイルス感染で170を数える園芸農家がすべて打撃を受けており、毎日210万ユーロ(=2.52億円)の損失が蓄積していくという。
ケニヤやエチオピアのバラ栽培農家にためにも、世界でのコロナウイルス感染の広がりが早く終結することが何よりも望まれる。
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