英イングランド、スコットランド、北アイルランドのサッカー協会は24日、小学生以下の子どものヘディング練習を禁止することなどを定めた新たな指針を発表した。指針は即時実施されている。
『AFP通信』や
『AP通信』、英
『BBC』などの報道によると、3地域のサッカー協会は、昨年10月に公表された、元サッカー選手は一般の人と比較して、認知症などを引き起こす神経変性疾患で死亡する確率が3.5倍高いとの研究結果を受けて、ヘディングに関する新たな指針を策定した。ウェールズには適用されないが、同地域のサッカー協会も同様の指針を検討しており、今年中に結論を出す予定だ。
新指針では、発育の「基礎段階」にある小学生については、ヘディング練習を完全に禁止した。...
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『AFP通信』や
『AP通信』、英
『BBC』などの報道によると、3地域のサッカー協会は、昨年10月に公表された、元サッカー選手は一般の人と比較して、認知症などを引き起こす神経変性疾患で死亡する確率が3.5倍高いとの研究結果を受けて、ヘディングに関する新たな指針を策定した。ウェールズには適用されないが、同地域のサッカー協会も同様の指針を検討しており、今年中に結論を出す予定だ。
新指針では、発育の「基礎段階」にある小学生については、ヘディング練習を完全に禁止した。また、12~15歳の子どもには「段階的手法」を取って練習回数を徐々に増やし、16~17歳については、ヘディングの練習時間を1週間に1回に止めるべきとしている。試合中のヘディングについては、回数が限られることを考慮し、制限しないという。
グラスゴー大学が主導した研究では、かつてサッカー選手だった人は、一般的な人に多い心臓病やガンなどよりも、認知症や変性脳疾患などが原因で死亡する人が多く、パーキンソン病で死亡する人も一般人の5倍に達しているとしている。しかし、サッカー選手の間でこうした疾患の有病率が上昇していることの原因がヘディングであるとはしていない。
イングランド・サッカー協会は声明で、今回の指針の策定は、「あらゆる潜在的なリスクを軽減する」ために行われたものだと説明している。同協会のマーク・ブリンガム会長は、「この指針は、全年代の子どもが競技をすることから得る楽しみに影響を与えることなく、我々の草の根の指導を、責任をもって進化させていくものである。」と述べた。
スコットランド・サッカー協会は、若者に対する注意義務の点から、指導者が幼少の子どものサッカー練習から反復的で不必要なヘディングを一掃し、医療専門家が最も適切と考える、年齢層による段階的手法を取れるよう、新たな指針は策定されていると指摘した。
3協会は、今回の新指針は、欧州全体の指針を今年中に定めることを検討している欧州サッカー連盟(UEFA)医療委員会の作業と並行して策定を進めていたものと説明した。子どものヘディングについては、米国も規制を設けており、10歳以下の子どもについては全面的に禁止し、11~13歳の子どもの練習中のヘディング回数を制限している。
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