ドイツ北部のハンブルク特別市(州に相当)で23日に議会選挙が行われ、メルケル首相が所属する中道右派の国政与党、キリスト教民主同盟(CDU)が敗北した。同党の得票率は戦後最低となり、躍進した緑の党に議会第2党の座を奪われた。
『ロイター通信』や
『ブルームバーグ通信』、英
『BBC』などの報道によると、CDUの得票率は、選管の暫定最終結果で11.2%にとどまり、5年前の前回選挙から4ポイント以上下落して、戦後最悪となった。メルケル首相の後継者問題が難航していることや、東部州の首相選出で極右が支援した候補を支持したことなどが影響したものとみられている。
現在、国政でCDUと連立を組む中道左派の社会民主党(SPD)は、ドイツ第2の都市ハンブルクを地盤としており、得票率は約39.0%で前回選挙の45.6%から低下したものの、第1党の座を守る見通しだ。...
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『ロイター通信』や
『ブルームバーグ通信』、英
『BBC』などの報道によると、CDUの得票率は、選管の暫定最終結果で11.2%にとどまり、5年前の前回選挙から4ポイント以上下落して、戦後最悪となった。メルケル首相の後継者問題が難航していることや、東部州の首相選出で極右が支援した候補を支持したことなどが影響したものとみられている。
現在、国政でCDUと連立を組む中道左派の社会民主党(SPD)は、ドイツ第2の都市ハンブルクを地盤としており、得票率は約39.0%で前回選挙の45.6%から低下したものの、第1党の座を守る見通しだ。そして、環境政党の緑の党が、気候変動への懸念の高まりを背景に躍進し、同24.1%と前回の2倍近くの票を得て第2党となり、CDUは第3党に転落した。SPDと緑の党は、ハンブルク議会での連立を維持するものと思われる。
メルケル政権の移民政策に反対して支持を伸ばしてきた極右政党、ドイツのための選択肢(AfD)の得票率は、議席獲得に必要な5%をかろうじて確保する見込みである。ドイツでは19日、西部フランクフルト郊外のハーナウで、極右思想者とみられる容疑者による銃撃事件が起きていた。AfDはドイツ連邦議会および16州全ての議会で議席を獲得してきたが、今回は逆風下での選挙となった。
今月初めCDUは、東部テューリンゲン州の州首相選出で、AfDが支援する自由民主党の候補者を支持して批判を浴びた。同候補者は州首相選出後まもなく辞任したが、クランプカレンバウアー党首の求心力低下が明らかとなっていた。
65歳のメルケル首相は、2021年に4期目の任期を終え、その後の選挙には出馬しない意向を表明している。CDUは地方選挙で敗北が続き、同首相の後継者と目されていたクランプカレンバウアー氏は10日に党首を辞任すると発表し、次期首相への道も断念した。
今回のハンブルクでの敗北を受け、CDU内では混迷が深まっている。同党幹部は24日の会合で、クランプカレンバウアー氏の後任の党首選びを加速させることで一致した。同党は4月25日にベルリンで党大会を開き、次期党首を選出する予定だ。
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