日本政府は2月6日、今週末に横浜港入港を予定していた米クルーズ船“ウエステルダム号”の入港を拒否することを決めた。現在同港に停泊しているクルーズ船“ダイアモンド・プリンセス号”の新型コロナウィルス感染予防対策に大わらわになっていることに加えて、“ウエステルダム号”の中に、新型コロナウィルス感染の疑いがある乗客がいることが理由とされている。そこで同クルーズ船運営会社は、急遽行先をタイに変更し、全乗客をそこで下船させる手筈を整えようとしている。ただ、果たしてタイ政府が同船受け入れを認めるかどうかは不明である。
2月11日付米
『Foxニュース』:「新型コロナウィルス感染の疑いで“どの港”からも入港を拒否されたクルーズ船、避難先を求めてタイに向け航行」
クルーズ船“ウエステルダム号”運営会社の米ホーランド・アメリカ社(1837年創業、本社シアトル)は2月10日、新型コロナウィルス感染の疑いでどの港からも入港を拒否されたため、現在タイに向けて航行中だと発表した。
同社の広報担当によると、今月初めに香港を出航した同船は、クルーズの目的地の横浜港に2月14日到着予定であったが、日本側より入港を拒否されたという。...
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2月11日付米
『Foxニュース』:「新型コロナウィルス感染の疑いで“どの港”からも入港を拒否されたクルーズ船、避難先を求めてタイに向け航行」
クルーズ船“ウエステルダム号”運営会社の米ホーランド・アメリカ社(1837年創業、本社シアトル)は2月10日、新型コロナウィルス感染の疑いでどの港からも入港を拒否されたため、現在タイに向けて航行中だと発表した。
同社の広報担当によると、今月初めに香港を出航した同船は、クルーズの目的地の横浜港に2月14日到着予定であったが、日本側より入港を拒否されたという。
『Foxニュース』は先週末、安倍晋三首相が、同船に新型コロナウィルス感染の疑いのある乗客がいることを理由として、同船の入港を認めない方針を出したと報じた。
そこで同社は代替港として、現在タイのレムチャバン港(タイ中部南端、バンコク湾の出口付近の港)に向けて航行させることとしており、同港には2月13日到着予定であるという。
同社としては、同港入港後に乗客全員を下船させ、クルーズ・ツアーをそこで終了させるとしている。
乗客には今回のツアー代金全額返金はもとより、次回のツアーにも無料招待する意向だとしている。
なお、同社から『Foxニュース』に寄せられた声明では、当初2月15日横浜港着とされたクルーズ・ツアーはキャンセルすることになったが、タイの港を出た後のツアーについては一切予定が組めない状況であり、新型コロナウィルス感染問題の進捗を見定めた上で決定したいとしている。
一方、同日付タイ『ジ・エーヤワディー』オンラインニュース:「タイ政府、新型コロナウィルス感染の有無に拘らずクルーズ船の受け入れ拒否と発表」
タイ政府は2月11日、乗客の中に新型コロナウィルス感染者がいようといまいと、米ホーランド・アメリカ社のクルーズ船“ウエステルダム号”の入港は認めないと発表した。
同船は目下、ベトナムの96キロメートル南沖にいて、タイのレムチャバン港に向かって航行中である。
しかし、アヌーチン・チャーンビラクル保健相が同日、港湾当局に対して“同船入港を拒否”するよう指示した旨明かした。
クルーズ船運営会社のホーランド・アメリカは2月10日、同船をタイに向かわせ、2月13日にレムチャバン港に到着後、1,455人の乗客全員を同港で下船させると発表していた。
更に同社は、新型コロナウィルス感染予防のための様々な措置を講じており、“メディア報道のように、新型コロナウィルス感染の疑いがある乗客がいるとの根拠はない”とも強調している。
同船は既に、日本の他フィリピンからも受け入れを拒否されており、止む無くタイに向かっているとみられる。
同船の乗客と思しき人のツイッター投稿では、“既に2週間洋上にいる”とした上で、“病気になっている人は皆無”だとしている。
ただ、同船の乗客は、タイ政府からも入港を拒否されたことを聞かされているか定かではない。
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