既報どおり、中国湖北省武漢市発生源の新型コロナウィルス感染拡大が止まらない。1月22日付Globali「
中国政府;新型コロナウィルス感染拡大阻止に躍起」に続く具体的措置として、中国当局は武漢市及びその周辺都市に封鎖措置を施す等しているが、感染はほぼ中国全土に広がりつつある。のべ30億人が大移動するとされる春節(旧正月)を迎え、焼け石に水の対策では如何ともしがたく、日本、韓国、タイ、米国に加えて、フランス、香港、ベトナム、シンガポールでも、訪問中の中国人旅行者に新型コロナウィルスによる肺炎発症が報告される事態となっている。そして、今後懸念されるのは、中国が最重要政策として展開している“一帯一路”経済圏構想(OBOR)が深く浸透している発展途上大陸のアフリカに、中国人訪問者によって新型コロナウィルスが持ち込まれる恐れである。
1月23日付
『ブライトバート』オンラインニュース:「中国の“OBOR”経済圏構想浸透のアフリカに新型コロナウィルス伝染の恐れ」
中国政府は、ここ何年もかけて、重要政策である“OBOR”経済圏構想をアフリカ大陸にも広げてきた。
同大陸の中で主要なナイジェリア(南西端)及びケニア(東端)とは、数十億ドル(数千億円)相当のインフラ開発契約を締結し、国情が不安定なジンバブエ(南東端)・ウガンダ(ケニア西隣)にも経済支援を行っている。...
全部読む
1月23日付
『ブライトバート』オンラインニュース:「中国の“OBOR”経済圏構想浸透のアフリカに新型コロナウィルス伝染の恐れ」
中国政府は、ここ何年もかけて、重要政策である“OBOR”経済圏構想をアフリカ大陸にも広げてきた。
同大陸の中で主要なナイジェリア(南西端)及びケニア(東端)とは、数十億ドル(数千億円)相当のインフラ開発契約を締結し、国情が不安定なジンバブエ(南東端)・ウガンダ(ケニア西隣)にも経済支援を行っている。
そして、ジブチ(北東端、紅海入り口)には、経済支援と引き換えに初の海軍基地開設を認めさせている。
現地の開発プロジェクトに共通しているのが、中国資金の拠出とともに、幹部のみならず数多の中国人労働者が送り込まれていることである。
一例を挙げると、ケニアに敷設された「モンバサーナイロビ標準軌鉄道(注後記)」では、中国側が建設計画・工程表等を中国語のみの書類でしか手交しなかったため、建設指導や操業等、重要な管理体制を全て中国側に依存しなければならない状態であった。
そうした背景もあって、ケニア当局も観光ビザで入国した中国人が多く同建設工事に従事していても把握できず、当該中国人労働者は頻繁に本国と現地を往復していてもコントロールできない状況であった。
従って、今回の新型コロナウィルス感染拡大を水際で防ぐべく、ケニア保健省は1月22日に国際空港にウィルス予防スクリーンを設けたとし、また、ナイジェリア感染症対策センターも、国際機関の支援を得て諸対策に取り組むとしているが、果たしてアフリカ大陸において新型コロナウィルス感染拡大阻止に繋げられるか懸念されている。
なお、1月23日現在、中国本土の他、既に日本、韓国、ベトナム、タイ、米国、台湾、マカオ、香港で新型コロナウィルス感染患者が報告されている。
(注)モンバサーナイロビ標準軌鉄道:中国路橋工程有限公司が請け負って建設した総工費36憶ドル(約3,960憶円)の鉄道で、インド洋沿岸のモンバサから首都ナイロビ(同国中南部)を結ぶ。2017年6月開業。1901年に宗主国大英帝国が敷設したケニア~ウガンダ狭軌鉄道(現在は廃線)と並行して建設されている。
閉じる