現状、世界で最もプラスチックごみを排出する企業と認定されているコカ・コーラは、世界経済フォーラム(ダボス会議)で、消費者に需要があり売上に打撃となるとの理由で、使い捨てのプラスチック製ボトルの使用を廃止しないと表明している。
1月21日付英国
『BBC』は「プラスチックボトルの需要がまだある、とコカコーラ」との見出しで以下のように報道している。
デボスで開かれている世界経済フォーラムで、コカコーラ社のサステイナビリティ担当長ビア・ペレス氏は、同社が使い捨てのプラスチックボトルの使用について、封を閉じることが出来て軽いことが消費者に好まれるため、やめる予定はないとしている。プラスチックごみの最大の生産者の一つである同社は、2030年までになるべく多くのプラスチック製ボトルのリサイクルに努めると表明していた。...
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1月21日付英国
『BBC』は「プラスチックボトルの需要がまだある、とコカコーラ」との見出しで以下のように報道している。
デボスで開かれている世界経済フォーラムで、コカコーラ社のサステイナビリティ担当長ビア・ペレス氏は、同社が使い捨てのプラスチックボトルの使用について、封を閉じることが出来て軽いことが消費者に好まれるため、やめる予定はないとしている。プラスチックごみの最大の生産者の一つである同社は、2030年までになるべく多くのプラスチック製ボトルのリサイクルに努めると表明していた。しかし環境活動家は、それでも多くのボトルが回収されず埋立て地に行き着くだろうとしている。
コカコーラは、年間3百万トン(一分に20万ボトル相当)のプラスチックパッケージを消費しており、昨年には慈善団体「ブレイク・フリー・フロム・プラスチック」のプラスチックごみに関する世界監査で、最もプラスチックごみを排出している企業に認定された。同社は2030年までに50%以上のリサイクル材を使うと表明しており、世界のNGOと協力し回収を支援するとしている。
経済フォーラムで、ペレス氏は同社は解決策の一部にならなければならないと理解していると述べている。だが完全にプラスチックをやめることは、消費者をないがしろにし、売り上げに響くおそれがありできないと述べた。
また、アルミやガラスのパッケージのみを使うと、同社の炭素フットプリントが上がってしまう。消費者がいなければビジネスにならない。ビン詰インフラを変え、リサイクル、イノベーションを進め、消費者には選択肢を提供していくという。
更に、昨年、バリ島で使い捨てレジ袋やストロー、発泡スチロールの禁止に貢献した、姉妹で活動するメラティ・ワイゼンなどの若者活動家の理想主義を尊敬するとした。
1月22日付英国『デイリーメール』は「環境への影響にもかかわらず、消費者が求めているとして使い捨てプラスチックをやめないコカコーラへ怒り」との見出しで以下のように報道している。
コカコーラが昨日、使い捨てプラスチックボトルを廃止しない方針を示したことで、環境活動家らの怒りを買った。同社は、「消費者は販売されているものを購入する。そしてコカコーラの使命は、環境への影響がなく、自然にとって安全な商品を売る事である」としている。
ダボスの世界経済フォーラムで、コカコーラのステイナビリティ責任者は、リサイクルの動きは(軽くて、蓋が閉まり使い勝手のよいプラスチックボトルを求める)消費者をないがしろにし、社の売上を損ねるものだとした。また同社は、世界中でボトルの回収やごみ減量に貢献していくと約束していた。
プラスチックごみに関する世界監査では、同社が世界で最もプラスチックごみを排出している企業とランク付けされ、ネスレやペプシコが後に続いている。
監査団体は、「使い捨てに頼り続けることは、環境へのプラスチック廃棄を増やし続けることで、リサイクルでは解決しない問題だ」と指摘している。
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