ドナルド・トランプ大統領は、大統領就任以前から、人種差別・女性蔑視の発言で物議を醸していた。そこで、同大統領就任式直後、女性グループがワシントンDCで反トランプを叫んで大規模“ウーメンズ・マーチ”を実行した。そしてこの程、4度目となる“ウーメンズ・マーチ”が全米で繰り広げられる予定で、同大統領の再選を阻もうとしている。
1月18日付
『ボイス・オブ・アメリカ』:「数千人の女性が4度目となる“ウーメンズ・マーチ”を展開」
数千人の女性が1月18日、男女同権や女性の権利擁護を訴えて、全米各地で“ウーメンズ・マーチ”を実行する。
今年で4度目となる女性によるデモ行進は、女性蔑視発言で非難されたドナルド・トランプ大統領の就任式直後に、数十万人規模でワシントンDCにおいて繰り広げられた。
その後、回を重ねる毎に政治色が強まり、多くの参加者が反トランプを標榜するピンク色のニット帽を被ってデモ行進した。...
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1月18日付
『ボイス・オブ・アメリカ』:「数千人の女性が4度目となる“ウーメンズ・マーチ”を展開」
数千人の女性が1月18日、男女同権や女性の権利擁護を訴えて、全米各地で“ウーメンズ・マーチ”を実行する。
今年で4度目となる女性によるデモ行進は、女性蔑視発言で非難されたドナルド・トランプ大統領の就任式直後に、数十万人規模でワシントンDCにおいて繰り広げられた。
その後、回を重ねる毎に政治色が強まり、多くの参加者が反トランプを標榜するピンク色のニット帽を被ってデモ行進した。
特に2018年においては、中間選挙の激戦区となったネバダ州で大規模に展開され、2019年には、この運動を追い風に史上最多の102人の女性下院議員が誕生したことを祝って、デモの中心をワシントンDCに戻して実施された。
今年の“ウーメンズ・マーチ”には、大統領選民主党予備選候補も各都市で参加する予定である。
ピート・ブティジェッジ氏(37歳、前インディアナ州サウスベンド市長);ネバダ州リノ
ディバル・パトリック氏(63歳、元マサチューセッツ州知事);サウスカロライナ州
マイケル・ベネット氏(55歳、上院議員);ニューハンプシャー州
アンドリュー・ヤン氏(45歳、実業家);アイオワ州
なお、1度目の“ウーメンズ・マーチ”以来、推進団体主導者が反ユダヤ主義だと非難にさらされてきた。
同団体はかかる非難を否定してきたが、代表4人のうち3人が同団体を去り、現在では3人のユダヤ系女性が執行部入りしている。
一方、今年の“ウーメンズ・マーチ”実行に先立ち、主導者のひとりであるアイザ・ノヨラ氏(41歳、LGBT及び移民人権擁護運動代表)は、“2020年の大統領選でトランプを追い出すチャンス”だとした上で、“その目標を達成することを期待して今回が最後”となるだろうとの声明を発表している。
1月17日付『AP通信』:「反トランプ運動下火で2020年大統領選にどう影響?」
トランプ大統領がイラン革命防衛隊の司令官殺害を指示し、中東への派兵数を増やすと発表したことを受けて、シカゴで約100人、ボストンで約200人、ロスアンゼルスやその他都市で数十人規模の人たちが、反トランプを叫んでデモ行進した。
かつて、トランプ大統領就任直後に行われた“ウーメンズ・マーチ”が数百万人の規模であったことから考えて、現在の反トランプ運動は縮小しているとみられる。
反トランプ運動活動家は、2020年大統領選に向けて、戸別訪問、ダイレクトメール、その他個別の運動を通じて、トランプ排斥に動いているので、単純にかかるデモ隊の規模で以て反トランプ運動が下火だとは見て欲しくないと主張する。
ただ、同大統領就任後3年が経ち、反トランプ運動の主張もそれぞれが分離してきている事態は見逃せない。
例えば、“ウーメンズ・マーチ”について言えば、昨年のニューヨーク・マーチでは別々に行われ、全国規模の同マーチ執行部代表数人が辞任し、また、ワシントン州ではグループが解散の憂き目にあっている。
今年の“ウーメンズ・マーチ”代表は、1月18日に全米180都市において10万人規模で行われ、ワシントンDCでも約1万人が参加すると表明している。
しかしながら、ベトナム戦争反対の大規模デモ以来、最大規模で行われた最初の“ウーメンズ・マーチ”に比較するまでもなく、昨年のワシントンDCでのマーチ参加者が10万人規模だったことを考えると、運動の衰退は否めない。
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