英イングランド中部のラトランド州は、長年米ファストフードチェーン大手のマクドナルドの進出に抵抗し続け、同地では唯一同チェーンの店舗がない州であったが、14日についに出店を認めた。イングランドで最小の同州の決定は、今週大きな話題となった。
『BBC』『ガーディアン』『インデペンデント』など多くの英メディアが報じた。マクドナルドは1974年に英国に上陸し、これまでイングランドだけで1,000超の店舗を展開している。人口約4万人の同地で最小のカウンティ(州)であるラトランド州は、マクドナルドの進出に抵抗し続け、唯一同社の店舗がない州となっていた。
ラトランド州議会の検討委員会は14日、マクドナルドが申請していた州庁所在地のオーカム郊外に24時間営業のドライブスルー店を設立する計画を承認した。...
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『BBC』『ガーディアン』『インデペンデント』など多くの英メディアが報じた。マクドナルドは1974年に英国に上陸し、これまでイングランドだけで1,000超の店舗を展開している。人口約4万人の同地で最小のカウンティ(州)であるラトランド州は、マクドナルドの進出に抵抗し続け、唯一同社の店舗がない州となっていた。
ラトランド州議会の検討委員会は14日、マクドナルドが申請していた州庁所在地のオーカム郊外に24時間営業のドライブスルー店を設立する計画を承認した。承認にあたっては、壁・屋根の色や材質などの建築の詳細や、ゴミの収集計画などについて事前に州当局や議会の承認を得ること、樹木を保護することなどの27の条件が付された。
保守の牙城であるラトランド州は、これまでマクドナルドだけでなく、バーガーキング、ケンタッキーなどもなかった。住民はファストフードが食べたいときには、レスターシャー、リンカンシャー、ノーサンプトンシャーなど近隣州まで車を走らせる必要があった。
しかし、マクドナルドが昨年6月、ラトランド州1号店を建設するとの申請を提出して以降、同社の計画が地域にとって適切か否か、激しい論争が起こった。同州では、出店を承認する前に住民から78件の意見を受け付けていたが、55件が反対意見だった。
同社の計画に反対する人々は、周囲の雰囲気や景観への影響、ゴミの増加、ジャンクフードによる健康被害、既存のレストランやパブなど地元経済への打撃、反社会的行為の増加などの懸念を表明し、近隣の不動産価格の下落の可能性まで指摘した。一方、同社の出店は、若者らの行き場所を作り、地元の雇用を創出すると好意的にとらえる人々も多い。子どもにマック商品を食べさせるために近隣州まで運転する必要がなくなると喜ぶ親たちもいた。反対者の割合は年齢層によって異なり、高齢者ほど否定的な意見が増加する。
マクドナルドは州の承認を歓迎した。同社は出店申請に先立ち、オーカムで400人超の地元住民に2度の説明会を行うなど、徹底的な事前準備と調査を行ったと述べた。また、ゴミの収集を適切に行うとともに、少なくとも65人分の雇用を創出すると説明している。
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