現代社会はいつも時間との競争だ。スーパーマーケットでも買い物客はいつも急いでいる。客は更なる時間短縮化を好み、より迅速な支払いを可能にするレジ対応を期待する。しかしオランダでは、時短用の「セルフレジ」とは真逆の、時間を十分に取ってレジを済ませる「スローレジ」というものが導入され始めている。
オランダのあるスーパーの店員は、仏
『フランス アンフォ』に対し「普段レジをやっていると、ある買い物客が財布からお金を出すのに時間をかけていると、後ろに並んでいる買い物客たちがすぐにイライラするのが分かる。しかしこのスローレジでは時間がかかって当たり前だということをお客さんたちは認識している」と説明している。
こうした「スローレジ」は、若者ほどテキパキと動けない年配の買い物客に特に好評だという。...
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オランダのあるスーパーの店員は、仏
『フランス アンフォ』に対し「普段レジをやっていると、ある買い物客が財布からお金を出すのに時間をかけていると、後ろに並んでいる買い物客たちがすぐにイライラするのが分かる。しかしこのスローレジでは時間がかかって当たり前だということをお客さんたちは認識している」と説明している。
こうした「スローレジ」は、若者ほどテキパキと動けない年配の買い物客に特に好評だという。足早で移動する必要はなく、急いで品物を袋に入れる必要もなく、時間を取って支払いを済ますことができる。
また米『グッドネット』や仏『Ouest France』によると、オランダのスーパーマーケット「ジャンボ」では、老人向けに「kletskassa(会話のできるレジ)」が導入され、会話を楽しみたい客に人気を得ているそうだ。
オランダでの調査によると、55歳以上の人の約50%が孤独を経験しているという。高齢者にとって孤独は日常化しやすい。しかし、地元のスーパーで「会話のできるレジ」を利用することで、特に高齢者が人との交流を持つことが出来るというのだ。
「kletskassa」を利用すると、客は買い物した品物をゆっくりとカートに入れながら、レジ係りと会話を楽しむことが出来る。 この新しい取り組みは主に高齢者向けだが、誰でも活用することが出来る。レジにはお菓子も置いてあり、待っている間に取って食べることが出来る。
『フランスアンフォ』のインタビューに対し、ある買い物客は「ここに来ると気兼ねせずに会話を交わすことが出来る。受け入れてくれる雰囲気がある。」と説明している。
高齢者が増えているオランダでは、近所のスーパーが社交の場としての機能を取り戻そうとしている。
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