フィリピンのドゥテルテ大統領は、19日夜の記者会見で、電子たばこの使用や輸入の禁止などの措置を発表し、これを受けて同国の警察は20日、全国の警察組織に対し、公の場で使用した者については逮捕するよう命じた。
『AFP通信』『ロイター通信』などの報道によると、ドゥテルテ大統領は19日夜遅く、突然電子たばこを禁止すると表明した。電子たばこは当初、従来のたばこより有害でないと宣伝されて愛煙家の間で流行したが、その後世界的にこれを禁止する流れが起きている。
ドゥテルテ大統領が麻薬を厳しく取り締まる政策を推進していることは、広く知られている。かつては喫煙者で健康を害したことから、公共の場での喫煙についても禁止する措置を取っており、フィリピンはアジアで最も厳しい禁煙の規則を施行する国の1つだ。...
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『AFP通信』『ロイター通信』などの報道によると、ドゥテルテ大統領は19日夜遅く、突然電子たばこを禁止すると表明した。電子たばこは当初、従来のたばこより有害でないと宣伝されて愛煙家の間で流行したが、その後世界的にこれを禁止する流れが起きている。
ドゥテルテ大統領が麻薬を厳しく取り締まる政策を推進していることは、広く知られている。かつては喫煙者で健康を害したことから、公共の場での喫煙についても禁止する措置を取っており、フィリピンはアジアで最も厳しい禁煙の規則を施行する国の1つだ。
ドゥテルテ大統領は19日の会見で、電子たばこは「有毒」であり、吸引すると人体に「化学物質」が取り込まれると指摘。使用や輸入などを禁止するとして、公共の場で吸った者は逮捕するよう命じた。フィリピン警察は20日、大統領令を受けて、「本日から全国の全ての警察組織は、電子たばこ使用の禁止措置を施行し、違反者は全て逮捕する。」との声明を発表した。但し、正式な文書による命令ではなく、禁止措置の範囲や違反に対する罰則などは明らかにされていない。
フィリピンでは数日前、同国で初めて電子たばこの吸引に関連した肺損傷が発生し、16歳の少女が入院したと保健当局が報告していた。これにより、専門店は電子たばこの販売を自粛し、愛煙家も公共の場では吸引を避けるなどの動きも出ていた。
電子たばこに使用されるフレーバー付きの液体には、従来のたばこの煙に含まれる約7,000の化学物質が存在しないものの、依然として有害とされる多くの物質を含んでいる。電子たばこは、それ自体の有害性に加え、液体に付けられた多種類の珍しい香りが特に若者を魅了し、ニコチン中毒にさせるなどのリスクをもたらしていた。米国では電子たばこによって死亡したり、病気を患ったりする若者が相次いでいる。
電子たばこは過去10年で人気を博したが、こうした事情により、禁止する国や地域が増えている。ブラジル、シンガポール、タイなどが既に禁止しており、最近では、インドや米マサチューセッツ州なども若者への影響を懸念し、9月に販売などを禁止した。
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