米出版大手ハーパー・コリンズの英国法人は7日、英語辞典「コリンズ」が毎年発表している流行語大賞「今年の単語」について、2019年は地球温暖化への対策を求める抗議デモ「気候ストライキ」に決定したことを明らかにした。
『ロイター通信』や英
『BBC』、米経済誌
『フォーブス』など多くのメディアが報じたところによると、英グラスゴーが拠点の同社英法人は、2019年の「今年の単語(用語)(Word of the Year)」に「気候ストライキ(climate strike)」を選んだと発表した。
同社は流行語大賞の選定の根拠について、年間のウエブサイトでの検索数や、新聞や雑誌、ソーシャルメディアなどへの登場回数が最も急激に増加したことなどを挙げている。「気候ストライキ」の今年の使用頻度は、昨年と比較して100倍に跳ね上がったという。
「気候ストライキ」は、スウェーデンの16歳の環境活動家グレタ・トゥンベリさんの活動に刺激された世界中の若者の温暖化対策を訴える運動などに関連した言葉であり、コリンズは、「気候ストライキ」を「気候変動に対応する行動を求めるデモに参加するために、人々が学校や仕事を休む形態の抗議活動」と定義している。
ハーパー・コリンズ社によると、「気候ストライキ」という言葉が初めて文書などに登場したのは2015年11月だという。気候変動抑制に関する多国間協定の「パリ協定」が採択され、それと同時期に発生した抗議運動を表現するものだった。この運動はグレタさんの活動などにより今年再び大きく盛り上がることとなり、9月にニューヨークで行われた国連気候行動サミット期間中のものを始めとして多くの気候ストライキが行われ、世界中で数百万人が参加することとなった。
環境関連の用語が大賞となったのは昨年から2年連続だ。昨年の大賞は、捨てられることを想定したプラスチック容器などを表す形容詞「使い捨ての(single-use)」だった。そして今年は、ある地域を自然な状態に回復する「再野生化(rewilding)」も次点に入った。
2017年以前のコリンズの流行語大賞は、17年が「偽ニュース(fake news)」、16年が英国の欧州連合(EU)からの離脱「ブレグジット(Brexit)」、15年がテレビ番組などの複数回の話を連続して一気に見る「ビンジ・ウォッチ(binge-watch)」、14年が他人の写真に写り込む「フォト・ボム(photobomb)」、13年が「オタク(geek)」だった。
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