英国のウィリアム王子と妻のキャサリン妃は、14日から5日間の日程でパキスタンを訪問している。英ケンジントン宮殿は、今回の訪問について、移動や治安などへの考慮の観点から、これまでで最も複雑な外遊になると説明した。
『ザ・テレグラフ』など英メディアのほか、米
『USAトゥデイ』、
『AFP通信』などが伝えている。ウィリアム王子夫妻は14日遅く、英政府専用機でパキスタンの首都イスラマバード近郊のラワルピンディにあるヌール・カーン空軍基地に到着し、マクドゥーム・シャー・マヘムード・クレーシ外相の出迎えと花束の歓迎を受けた。
パキスタンでは長年政情不安が続いてきたが、同国政府は今回の英王子夫妻の訪問により、治安の改善を訴えたいところだ。但し、夫妻の住まいである英ケンジントン宮殿は、今回の訪問について、「移動や治安の考慮などの点で、ウィリアム王子夫妻による過去最も複雑な外遊」になるとしている。
ウィリアム王子夫妻にとって、今回の外遊はパキスタンへの初めての公式訪問となるが、移動距離も長く、警備が非常に厳しくなることが予想される。夫妻の3人の子どもたちであるジョージ王子、シャーロット王女、ルイ王子は同行しない。英王室では、2006年に王子の父のチャールズ皇太子とカミラ夫人が訪問して以来のこととなる。
チャールズ皇太子夫妻の2006年の訪問は、軍が宗教系の学校に空爆を行い、80人が死亡するという事件が発生したため、治安上の懸念から途中で中止された。しかし、その後治安は劇的に改善し、同国政府は外国人観光客や海外からの投資を呼び込もうとしている。
ケンジントン宮殿は今月に入り、ウィリアム王子夫妻の訪問は、英国のパキスタンとの歴史的な関係に敬意を表し、両国の絆を深めるものだが、パキスタンの気候変動への取り組みや地域の複雑な治安情勢など、同国の現状を視察することが主な目的になると述べた。
5日間の滞在日程の詳細は明らかにされていない。訪問場所については、現首都のイスラマバードに加え、ムガール帝国時代の古都ラホール、北部の山岳地帯、アフガニスタンとの国境近くの西部地域などと報じられている。また、ウィリアム王子の母、故ダイアナ元皇太子妃と親交のあったイムラン・カーン首相にも面会する予定だという。ダイアナ元妃は、パキスタンが紛争などで政情不安となる前の1990年代に、公式にまたは個人的にパキスタンを何度も訪問しており、王子夫妻の訪問は元妃の足跡を辿る旅にもなる。
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