トランプ米大統領は18日、西部カリフォルニア州が連邦より厳格な自動車の排ガス規制基準を独自に設定する権限を取り消すことを表明した。同州の知事や当局は法廷で争う意向を示している。
『AFP通信』『ロイター通信』英
『BBC』など多くのメディアが報じた。米国最大の人口を抱えるカリフォルニア州は民主党が圧倒的に優勢な有力州である。同州はこれに先立ち、フォード、フォルクスワーゲン、ホンダ、BMWの大手自動車メーカー4社と、米国市場でより低燃費の車を生産することについて合意に達していたが、連邦当局は同合意が反トラスト法(独禁法)に違反すると批判し、対立が深まっていた。
トランプ大統領は、今回カリフォルニア州に向かう途中でツイッターに、「トランプ政権は消費者にとって相当安価であるとともに、かなり安全な車を生産するため、排ガス規制に関するカリフォルニア州の連邦規制適用除外の権利を無効化する。...
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『AFP通信』『ロイター通信』英
『BBC』など多くのメディアが報じた。米国最大の人口を抱えるカリフォルニア州は民主党が圧倒的に優勢な有力州である。同州はこれに先立ち、フォード、フォルクスワーゲン、ホンダ、BMWの大手自動車メーカー4社と、米国市場でより低燃費の車を生産することについて合意に達していたが、連邦当局は同合意が反トラスト法(独禁法)に違反すると批判し、対立が深まっていた。
トランプ大統領は、今回カリフォルニア州に向かう途中でツイッターに、「トランプ政権は消費者にとって相当安価であるとともに、かなり安全な車を生産するため、排ガス規制に関するカリフォルニア州の連邦規制適用除外の権利を無効化する。」と投稿した。
トランプ政権は、厳格な基準は消費者にとってコスト高となり、新車市場を抑制し、旧式で安全性の低い車が路上を多く走る結果になると指摘している。トランプ大統領は、同州と新たな連邦の排ガス規制との間には、わずかの違いしかないが、連邦の基準によって車はかなり安全なものとなり、価格もずっと安くなると主張した。
トランプ氏はさらに、「より多くの車が新たな統一基準の下で生産され、それは非常に多くの雇用が生まれることを意味する。自動車メーカーは、この機会をとらえるべきだ。カリフォルニア州の基準に対する代替策がなければ倒産してしまうからだ。」と述べた。
トランプ大統領の今回の発表により、すぐにカリフォルニア州の基準の変更が求められるわけではないが、トランプ政権は今秋、同州も支持するオバマ前政権時代に定められた燃費基準を大幅に緩和する新たな規則を発表する見通しだ。
カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は、政権の今回の対応について、民主党の牙城である同州の権力を弱めようとする長期の政争の一環と呼び、裁判所で争う方針を示した。同知事は、トランプ氏の連邦の基準は消費者のためとの主張を一蹴し、「我々の空気、健康、経済にとって良くない」と批判。より多くの石油製品を消費して、排ガスの量が増加し、自動車メーカーは世界市場での競争力を失うと強調した。同州の司法、環境当局も訴訟で争う姿勢を見せており、大規模な長期の法廷闘争に発展する可能性もある。
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