中国通信機器大手ファーウェイ(華為技術)は15日、イタリアに今後3年で31億ドル(約3350億円)を投資する方針を明らかにした。これにより同国では、1,000人の直接雇用に加え、2,000人分の下請け雇用が創出されるという。
『ロイター通信』『AFP通信』『新華社通信』などが報じた。ファーウェイは、次世代の第5世代(5G)移動通信技術を主導してきたが、米国から安全保障上の重大なリスクと名指しされ、欧州で足場を固めることを目指している。欧州では小国モナコが9日、ファーウェイの技術に基づき、域内で初めて全国に5Gの移動通信網を開設した。
ファーウェイ・イタリアのトーマス・ミャオ最高経営責任者(CEO)は、ミラノのイベントで記者会見して今回の投資計画について発表し、「今後3年間に、当社はイタリアで物資の調達に19億ドル(約2050億円)、事業活動とマーケティングに12億ドル(約1300億円)、研究開発に5200万ドル(約56億円)を投じる。...
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『ロイター通信』『AFP通信』『新華社通信』などが報じた。ファーウェイは、次世代の第5世代(5G)移動通信技術を主導してきたが、米国から安全保障上の重大なリスクと名指しされ、欧州で足場を固めることを目指している。欧州では小国モナコが9日、ファーウェイの技術に基づき、域内で初めて全国に5Gの移動通信網を開設した。
ファーウェイ・イタリアのトーマス・ミャオ最高経営責任者(CEO)は、ミラノのイベントで記者会見して今回の投資計画について発表し、「今後3年間に、当社はイタリアで物資の調達に19億ドル(約2050億円)、事業活動とマーケティングに12億ドル(約1300億円)、研究開発に5200万ドル(約56億円)を投じる。」と説明した。
ミャオ氏は、中伊両国の経済的な緊密さを強調し、米中貿易摩擦は今のところ同社のイタリア事業に影響を与えていないと指摘した。同氏は「伊政府は、米中間の問題に影響されない開かれた透明性ある政策を取っている。」との認識を示し、5Gの移動通信網構築についても、透明性があり効率的で、欧州以外の業者にも公正な政策を実施するよう求めた。
同氏はまた、本計画により2019~21年の間に同社はイタリアで、1,000人分の直接雇用に加え、2,000人分の下請け職種の雇用を創出すると発表し、同時に米国では、1,000人を削減する方針を示した。ファーウェイの米国事業をめぐっては、米紙ウォールストリート・ジャーナルが14日、大規模な人員削減を計画していると報じていた。
米国はファーウェイを、中国政府と密接に連携しているとして、国家安全保障上の理由から制裁対象とし、国内の5G移動通信網の開発からも除外した。同盟国にも追随するよう求めており、同社製品を使用しないよう呼び掛けている。一方、トランプ米大統領は先月のG20での米中首脳会談後、米国からファーウェイに販売される機器などが安全保障上のリスクとならない限り、制裁措置を緩和する意向も示している。
イタリアは3月、中国が提唱する巨大経済圏構想「一帯一路」に関する覚書に署名し、主要7カ国(G7)で初めて同構想への支持を表明したが、米国や欧州連合(EU)諸国は、これにより中国が先進技術を容易に入手できるようになるとして、警戒を強めている。
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