トランプ米政権は15日、メキシコ国境を越えて米国に入国する多くの移民に対し、難民申請の資格を厳格化する新たな規制を発表した。中米などから北上する不法移民の流入を抑制する暫定規則であり、16日から実施される見通しである。
『ロイター通信』や
『AFP通信』、米
『ABC』などの報道によると、米政府の新たな規制の対象は、中米ほかの国々からメキシコ経由で米国に大量に流入する多くの移民だ。こうした移民は、米国内に足場を得るために、先ずは難民申請を出そうとするという。
新たな規制では、南の国境から米国に入国し、到達までに通過した国々で難民申請をしたことのない移民には、米国でも難民申請をする資格がないとした。自らが拷問や迫害の犠牲者であると証明可能な人々については、例外的に申請を認める。...
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『ロイター通信』や
『AFP通信』、米
『ABC』などの報道によると、米政府の新たな規制の対象は、中米ほかの国々からメキシコ経由で米国に大量に流入する多くの移民だ。こうした移民は、米国内に足場を得るために、先ずは難民申請を出そうとするという。
新たな規制では、南の国境から米国に入国し、到達までに通過した国々で難民申請をしたことのない移民には、米国でも難民申請をする資格がないとした。自らが拷問や迫害の犠牲者であると証明可能な人々については、例外的に申請を認める。但し、米入国管理当局は、中米からの最近の移民は、大半が生活水準の改善を求めて移住する「経済移民」であって難民申請の資格はないと名言しており、実質的に申請をほぼ不可能としている。
国家安全保障省のケビン・マカリーナン長官代行は、本規制は議会が移民法厳格化などの正式な措置を講じるまでの間、難民申請者の基準に制約を加える「暫定的な規則」であり、米国への違法な移民の流入を誘発している要因を抑制する一助となると説明した。
難民申請をする移民には、母国での暴力や貧困から逃れるためと主張する人々が増えている。申請手続は2年を要する場合もあり、申請者は裁定が下されるまでの間、米国内にとどまり自由に移動することも許されている。しかし、入国管理当局によると、米国内で所在不明となったり、自身の申請の審理にも出廷しなかったりする者も多いという。
ウィリアム・バー司法長官は声明で、「米国は寛大な国だが、南側の国境での数十万人の外国人の取り締まりや手続に関する負担に完全に圧倒されている。この新たな規制により、経済移民や、米国への入国資格を得るためにわが国の移民制度を悪用しようとする人々による法廷地漁り(自分に有利な法廷地の選択)が減るだろう。」と述べた。
人権保護団体などからは、今回の新たな規制について批判する声が上がっている。米国自由人権協会(ACLU)は、「明らかに違法」であるとして、訴訟を提起する構えだ。多くの専門家も違法性を主張する。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、今回の措置に関し「深く懸念する」として、弱者である家族らを危険にさらし、国際社会が協調して進めている取り組みを弱体化するものだと指摘した。
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