交渉が膠着する中、中国側は習近平主席が6月末のG-20でトランプ大統領と会談するかどうか明らかにしていない。先週月曜日には、トランプ大統領は、中国の習近平国家主席がG-20での会談に応じない場合、新たな対中関税を発動すると警告した。
しかし中国政府関係者は、G-20での会談で合意に達するには、米国側が一定の条件を満たさなければならないと強調している。その条件としては、すべての追加関税をキャンセルすること、昨年のアルゼンチンでのG-20で合意された内容に従うこと、中国側が対等だと考える条件を受け入れること、などを挙げている。...
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交渉が膠着する中、中国側は習近平主席が6月末のG-20でトランプ大統領と会談するかどうか明らかにしていない。先週月曜日には、トランプ大統領は、中国の習近平国家主席がG-20での会談に応じない場合、新たな対中関税を発動すると警告した。
しかし中国政府関係者は、G-20での会談で合意に達するには、米国側が一定の条件を満たさなければならないと強調している。その条件としては、すべての追加関税をキャンセルすること、昨年のアルゼンチンでのG-20で合意された内容に従うこと、中国側が対等だと考える条件を受け入れること、などを挙げている。
また別の中国政府関係者は先週火曜日、「中国側のスタンスは明確だ。貿易摩擦を引き起こしたのは米国側だ、ということだ。」と語り、さらに、「中国側は米国側より自信を持っていると思う。中国側としてはG-20で会談してもよいが、米国側が誠意を示すことが前提だ。今後もきちんと対応する姿勢が見られないならば、会談に応じないほうがよいだろう。」とも話している。
米中間の関係は先月悪化した。トランプ政権は5月、中国からの約2000億ドル(約21兆7000億円)相当の輸入品に課している関税の税率を引き上げ、また通信機器大手のファーウェイを、米政府の許可なく米企業から部品などを購入することを禁じる「エンティティーリスト」に追加した。
さきの中国政府関係者は、中国経済は貿易問題が長引いたとしても持ちこたえることができると述べている。トランプ政権側が中国に圧力をかけているのは、あくまで来年の米大統領選対策だと考えているためだ。「トランプ大統領が6月18日に選挙キャンペーンを開始することを踏まえると、貿易問題で合意したいという思いはかなり強いはずだと考えている。しかし、交渉全体の流れを考えると、中国側は急いでいない。時は中国に味方している。」という見解を示した。
そして、交渉を継続するには米国側が誠意をもって、これまでの誤った行動を正す必要があると指摘する。この中国政府関係者は米国側が示すことのできる「誠意」として3つの点を示している。第一に、すべての追加関税を中止することに同意すること。第二に、米国産品の輸入を少なくとも1兆2000億ドル増やすという米国の要求を実現するために、ハイテク製品の輸出制限を大幅に緩和すること。第三に、合意文書の表現や文言について、バランスのとれた内容にすること。すなわち“しなければならない”、”するべきである”といった強く高圧的な表現を多用しないこと。
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