米アマゾン・ドット・コムは4日、3,000基以上の低軌道衛星のネットワークを構築し、世界中にブロードバンドによる高速インターネットサービスを提供するプロジェクトに取り組んでいることを明らかにした。
『ロイター通信』『AFP通信』『CNBC』などによると、アマゾンの壮大な計画は「プロジェクト・クイパー(Project Kuiper)」と呼ばれ、現在初期段階にある。技術関連サイトのギークワイアー(GeekWire)が最初に報じ、アマゾンがプロジェクトの存在を認めた。同社は先月、国連の国際電気通信連合(ITU)に、計画の詳細を提出していた。
アマゾンは、プロジェクト・クイパーでは、3,236基の低軌道衛星コンステレーション(特定の方式に基づく多数の人工衛星群・システム)を打ち上げ、現在インターネットを全く利用できない、或いは十分に利用できない地域も含め、世界中で低遅延・高速のブロードバンドインターネット接続のサービスを提供すると説明している。...
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『ロイター通信』『AFP通信』『CNBC』などによると、アマゾンの壮大な計画は「プロジェクト・クイパー(Project Kuiper)」と呼ばれ、現在初期段階にある。技術関連サイトのギークワイアー(GeekWire)が最初に報じ、アマゾンがプロジェクトの存在を認めた。同社は先月、国連の国際電気通信連合(ITU)に、計画の詳細を提出していた。
アマゾンは、プロジェクト・クイパーでは、3,236基の低軌道衛星コンステレーション(特定の方式に基づく多数の人工衛星群・システム)を打ち上げ、現在インターネットを全く利用できない、或いは十分に利用できない地域も含め、世界中で低遅延・高速のブロードバンドインターネット接続のサービスを提供すると説明している。
同社の広報担当者は声明で、「これは、ブロードバンドインターネットへの基本的なアクセスができない数千万人の人々へのサービス提供を想定した長期プロジェクトだ。我々はこの取り組みで、共通のビジョンを持つ企業と提携していきたい。」と述べた。
アマゾンの衛星プロジェクトは、イーロン・マスク氏の米宇宙開発企業スペースX、日本のソフトバンクや欧州のエアバスなどが出資する米衛星通信会社ワンウェブ(OneWeb)などと激しい競争を繰り広げるものと予想される。ワンウェブは2月、同社の計画で使用する衛星650基中の最初の6基を打ち上げた。
米スペースX、米レオサット(LeoSat)、カナダのテレサット(Telesat)などの衛星通信事業を行うベンチャー企業は、従来の通信衛星より地球に近い軌道を周回する、数百ないし数千基の小型衛星によるデータネットワークの構築に取り組んでいる。レーザーやコンピューター・チップなど各種技術の飛躍的な進歩により、こうした計画が可能となった。
アマゾンのジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)が設立した航空宇宙企業ブルー・オリジン(Blue Origin)は今年、テレサットと衛星コンステレーションの一部の打ち上げに関する契約を締結している。プロジェクト・クイパーは、同CEOの宇宙開発の野望によるものと考えられるが、ブルー・オリジンは今のところ、同プロジェクトには関与していないという。
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