ニューヨーク初め世界主要市場は、米中貿易紛争が両首脳によって間もなく最終的に決着させうると、総じて楽観的にみているようである。しかい、
『ロイター通信』が日本企業にアンケート調査を行った結果、ほとんどの企業が、米中貿易紛争が年末近くまで続き、更に、中国経済の低迷も悪くすると2020年か、それ以降まで回復できないと悲観的な見方をしていることが判った。
3月22日付
『ロイター通信』:「日本企業、米中貿易紛争も中国経済低迷も長く続くと悲観論」
『ロイター通信』の直近の日本企業アンケートの結果、75%の企業が米中貿易紛争は年末まで続くとみていて、また、90%が中国経済の低迷も今年後半まで回復しないと見ていることが判った。
そして、50%余りが、中国経済低迷は2020年、悪くするとそれ以降まで続くと悲観的な見方をしている。...
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3月22日付
『ロイター通信』:「日本企業、米中貿易紛争も中国経済低迷も長く続くと悲観論」
『ロイター通信』の直近の日本企業アンケートの結果、75%の企業が米中貿易紛争は年末まで続くとみていて、また、90%が中国経済の低迷も今年後半まで回復しないと見ていることが判った。
そして、50%余りが、中国経済低迷は2020年、悪くするとそれ以降まで続くと悲観的な見方をしている。
『ロイター通信』の企業アンケートは、日経リサーチに委託して毎月実施しているものだが、直近の調査では、479社の大手及び中規模企業に対して行い、約半数の230~243社から回答を得たものである。
安倍晋三政権下での景気刺激策の結果、史上最長の景気継続記録を達成することとなっているが、輸出依存体質の日本経済にとって、米中両国に大部分を依存している関係から、両国間の貿易紛争はもとより、その影響を受けた中国経済の低迷がより深刻となっている。
一方、世界市場は、トランプ大統領・習国家主席の首脳会談によって、米中貿易紛争は間もなく決着をみると期待している。
スティーブン・ムニューシン米財務相も先週、両国間の“交渉は順調に”進んでいて、“可能な限り速やかに”決着できるよう努めていると語っていた。
しかし、日本企業の方はこれに反して、総じて悲観的である。
すなわち、全体の31%の企業が、貿易紛争は今年後半まで続くとみている上、45%が2020年かそれ以降まで決着できないとみているからである。
ある電気機器メーカーは、米中の貿易不均衡是正の交渉自体に限れば、年末までに決着するかも知れないが、全分野での米中覇権争いが背景にあると考えられることから、最悪、これから15年も25年も紛争は続くとみざるを得ないと回答している。
この背景には、米中貿易紛争による悪影響がもろに響いてきていることが挙げられる。
昨年10月のアンケート結果では、同紛争によって影響を受けている企業は全体の3分の1であったのに対して、今回の調査では、その数が52%に上っている。
ある化学製品メーカーは、中国の需要が急激に落ちているとし、また、ある機械メーカーは、製造プラントの一時操業中止や、追加投資のキャンセルに追い込まれていると回答している。
なお、日銀の黒田東彦総裁の下で進められた、大規模金融緩和政策について、2018年1月の調査時点では、45%の企業が同政策の見直しを望んでいたが、現在は27%まで落ちている。
また、同政策の継続を望む企業は、過去49%だったのが、現在は3分の2まで増えている。
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