最初のシルクロードが、2000年前にベニスと中国の間で引かれたが、皮肉にも、2000年後の今日、イタリアの首相が、中国最高指導者の来訪に際し、中国の海外インフラ整備投資の広大な投資計画、新シルクロード計画への支持を表明することとなる。
仏の中国政策の専門家によると、今回の新シルクロード協定は外交的なポーズとしての意味合いがあり、イタリアがべったりと新シルクロード計画に拘束される要件はないものと分析している。...
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最初のシルクロードが、2000年前にベニスと中国の間で引かれたが、皮肉にも、2000年後の今日、イタリアの首相が、中国最高指導者の来訪に際し、中国の海外インフラ整備投資の広大な投資計画、新シルクロード計画への支持を表明することとなる。
仏の中国政策の専門家によると、今回の新シルクロード協定は外交的なポーズとしての意味合いがあり、イタリアがべったりと新シルクロード計画に拘束される要件はないものと分析している。
イタリアとしては、中国との幾つかの通商案件を締結したいため、外交的な接近を余儀なくされたものと見られている。
このイタリアの中国支持は、中国との通商交渉の真っただ中にある米国をいら立たせており、米国はイタリアに対して、中国の見栄っ張りな新シルクロード計画を正当なものとして見做すことに注意を払うように呼びかけている。
しかし、イタリアは、新シルクロード構想が、2018年から続いているイタリアの景気後退の長いトンネルを抜け出す突破口になるのではないかと期待している。その例がイタリアのトリエステ港の中国資本によるインフラ整備である。
たとえば、ギリシャのピレ港は、中国資本に売却されて、取引量が従来の5倍に膨れ上がったという。
もっとも、イタリアとしても、中国資本の短期的なメリットに目を奪われて、気が付けば中国に骨抜きにされるような事態は避ける必要があろう。
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