英議会の委員会は18日、米フェイスブックは偽ニュースの拡散への対策や、個人情報保護を怠った「デジタルギャング」だと痛烈に批判するとともに、法的な強制力を持つ倫理規定を策定し、対応を図ることを提言する報告書を公表した。
『AFP通信』英
『ガーディアン』米
『フォックス・ニュース』などの報道によれば、下院デジタル・文化・メディア・スポーツ委員会による同報告書は、議会の議員らが、IT企業各社や政治的利用を目的とした虚偽の情報などについて18カ月にわたり調査を行った結果をまとめたものである。170の文書の精査、73人の証人への4,350の質問などによる調査は、過去に例がないほど入念なものであり、報告書は108頁の大部なものとなった。
同報告書は、フェイスブックが、海外の選挙に対するロシアの介入の規模の隠蔽を試みたと指摘している。2016年の米大統領選や欧州での一連の選挙の結果に影響を及ぼそうと、ロシアが誤解を招くニュースや、対象を絞った宣伝広告を打った可能性があり、これをめぐる同社の対応を厳しく批判した。
報告書はまた、「フェイスブックのような企業は、自社が法に勝るとか、法を超越していると思い込み、オンラインの世界で“デジタルギャング”のように振る舞うことを許されてはならない。」と同社の姿勢を糾弾している。
デジタル・文化・メディア・スポーツ委員会のダミアン・コリンズ委員長は、フェイスブックは「不完全で不誠実、そして時に誤解を招くような回答をして、我々の職務を故意に妨害した。」と非難した。マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は、委員会の公聴会への出席要求を3度拒否した上、昨年4月にやっと議会で証言した。
同委員会は、独立した英規制当局が監督するなど、全IT企業を対象とした順守義務のある倫理規定の策定を提言した。コリンズ委員長は、「今年末までに、そうした監督機構がいかに機能するかを規定した、確かな法案が提出されることを望んでいる。」と語った。英政府は報告書に対し、8週間以内に回答する必要がある。独仏で個人データの収集や偽ニュース対策に関する規制が導入されており、英国でも早急な対応が求められている。
フェイスブックの広報担当者カリム・パラント氏は、同社経営陣が偽ニュースや選挙の完全性について委員会と同様の懸念を持っており、同社は有意義な規程に対しオープンな姿勢であるとともに、委員会の選挙法改革に向けた提言を支持すると声明でコメントした。
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