米国防総省は11日、宇宙空間における中国とロシアの軍事的脅威について報告し、両国が米国の人口衛星を狙ってレーザーで攻撃する計画を進めているなど、米国の優位性を脅かそうとしていると警告した。
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『CNN』の他、中国メディアなども報じた。11日に国防総省が公表した報告書は、「宇宙における安全保障に対する課題」と題され、中ロ両国に加え、イランや北朝鮮の宇宙での軍事力について検証したものである。
国防総省の情報機関である米国防情報局(DIA)が、本報告書をまとめた。DIAはこの中で、「特に中国とロシアは、米国が宇宙基盤のシステムに依存していることを利用し、宇宙での米国の地位に対抗するため、様々な手段を開発している。...
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『CNN』の他、中国メディアなども報じた。11日に国防総省が公表した報告書は、「宇宙における安全保障に対する課題」と題され、中ロ両国に加え、イランや北朝鮮の宇宙での軍事力について検証したものである。
国防総省の情報機関である米国防情報局(DIA)が、本報告書をまとめた。DIAはこの中で、「特に中国とロシアは、米国が宇宙基盤のシステムに依存していることを利用し、宇宙での米国の地位に対抗するため、様々な手段を開発している。」と指摘した。
報告書は、電子戦システム、指向性エネルギー兵器、ミサイルなど、中ロ両国の様々な対衛星兵器について詳述した上で、両国は、米国の衛星やそのセンサーを妨害し、弱体化させ、破壊するようなレーザー兵器の開発を追求する可能性が大きいと警告した。
中国については、低軌道の衛星に搭載されたセンサーを地上から攻撃可能なレーザー兵器を、2020年までに配備するとみられるが、低性能のものであれば、既に保有している可能性があると指摘されている。またロシアについては、2018年7月以前から、航空宇宙軍にレーザー兵器を配備しており、これも衛星のセンサーを攻撃するものと考えられている。さらに地上配備型で、低軌道の宇宙の標的を破壊する移動式ミサイルシステムの開発も進めており、数年後に運用が可能になる見通しであるという。
米国の衛星は、航空機や船舶などの誘導システムや、兵器の照準設定などに加え、北朝鮮の核兵器開発計画の状況や中ロの軍事力を把握するなどの情報収集といった重要な役割を果たしており、敵国のミサイル発射を探知するためのセンサーも内蔵されている。トランプ政権は、先月公表した「ミサイル防衛見直し(MDR)」で、宇宙配備型の高性能センサーを衛星に搭載することを積極的に検討していると明らかにしていた。
中国政府は12日、米国防総省の報告書は「全く根拠のないもの」と批判した。華春瑩外務省報道官が、「米国が宇宙を戦場として捉え、宇宙軍の創設を発表し、頻繁に宇宙での軍事演習を行っているのは、憂慮・懸念すべきことだ。」と記者団に語っている。
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