世界の政財界のリーダーらが集うダボス会議で知られるスイスの国際機関、世界経済フォーラム(WEF)が18日に発表した2018年の男女平等度ランキングによると、アイスランドが10年連続で首位の座を維持した。日本は149カ国中110位だった。
『ロイター通信』『AFP通信』などが速報した。本調査では、政治、経済、教育、健康の4分野で男女格差を分析、点数化して国別に順位付けしている。WEFは、男女間の賃金格差が、過去10年で初めて格差が拡大した昨年よりやや解消したが、女性の政治への参画度が後退、教育や健康面での不平等も拡大したとして、男女間の格差の縮小は停滞していると警告した。現在のペースでは、世界の男女格差は今後108年間なくならず、特に職場での格差は202年間にわたって存在し続けるとしている。
過去数年間は、政治、教育、健康の分野で進展がみられたが、今年はこの3分野で後退している。経済分野だけは格差が幾分改善し、世界の賃金格差は約51%に縮小、女性管理職の比率も34%にまで上昇した。しかし同時に、女性の労働参加人口が、男性と比較すると相対的に伸びておらず、育児や介護などで職場復帰が困難な状況となっている他、伝統的に女性が担ってきた職種に、機械化が影響していることなどがその原因であるという。
女性は科学技術、工学、数学などの技能を要する職種での労働参加が著しく少なく、特に人口知能(AI)分野での参加度は22%に過ぎない。WEFはこの分野での格差は他産業の3倍で、管理職や注目の職種に就く女性も少ないと指摘した。また、AIのスキルがますます必要とされる他産業での格差拡大を防止するため、積極的な措置の必要性を強調した。
ランキングでは、アイスランドが10年連続で首位だった。2位ノルウェー、3位スウェーデン、4位フィンランドと北欧諸国が上位を占め、以下5位ニカラグア、6位ルワンダ、7位ニュージーランド、8位フィリピン、9位アイルランド、10位ナミビアが続いた。
この他では、フランスが12位、ドイツ14位、英国15位、カナダ16位、米国が51位、中国103位、韓国115位、サウジアラビア141位などとなっている。下位にはシリア、イラク、パキスタン、イエメンなどの国々が並んだ。
日本は昨年の114位から110位に順位を上げたが、主要7カ国(G7)では再び最下位だった。賃金格差縮小や女性の労働人口参加率の向上などで進展があったが、女性の国会議員や閣僚の少なさなど政治分野が低評価で、指標の改善した経済分野でも順位を下げた。
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