高層ビルの計画や設計、建設、運営などに関する国際団体である「高層ビル・都市居住協議会(CTBUH)」(本部:米イリノイ州)が先週発表した2018年のビル完工件数などに関する年次報告書によれば、2018年に完成した高さ200メートル以上の高層ビルの国別の数については、中国が88棟と世界全体の61.5%を占め、圧倒的な首位となった。
『CNN』や各種の経済誌、業界紙などが報じたCTBUHの12日の報告によると、中国の各都市で今年完成した200メートル以上の高層ビルの数は88棟で、2位となった米国の13棟の7倍近くとなり、大差をつけての首位となった。3位はアラブ首長国連邦(UAE)の10棟、4位はマレーシアの7棟、5位がインドネシアの5棟だった。
世界全体で建設される200メートル以上の高層ビルの数は、過去10年で大きく増加した。...
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『CNN』や各種の経済誌、業界紙などが報じたCTBUHの12日の報告によると、中国の各都市で今年完成した200メートル以上の高層ビルの数は88棟で、2位となった米国の13棟の7倍近くとなり、大差をつけての首位となった。3位はアラブ首長国連邦(UAE)の10棟、4位はマレーシアの7棟、5位がインドネシアの5棟だった。
世界全体で建設される200メートル以上の高層ビルの数は、過去10年で大きく増加した。今年は143棟と、昨年記録した過去最高の147棟から4棟減ったものの、史上2位の記録だった。300メートル以上の超高層ビルも、史上最多の18棟が誕生している。この完工件数の伸びに最も貢献しているのは、中国で建設されるビルの急増だ。
中国の今年の88棟は、世界全体の143棟の61.5%を占め、一国が年間に建設した高層ビルの数では過去最高を記録した。その内、14棟が南部の都市、広東省・深圳で建てられており、同市はUAEのドバイ、北京、米ニューヨーク、中国北部の瀋陽などを抑え、都市ランキングで3年連続のトップとなった。
2018年の最大規模の新ビルも中国・北京の「CITICタワー(中国尊)」であり、その高さは世界8位の528メートルだ。この他、ベトナムのホーチミン、中国の長沙などアジア各地で今年最高クラスのビルが完成し、それぞれ400メートル以上の高さを誇る。アジア以外の地域で最も高いビルは、米フィラデルフィアで建設が進む342メートルのコムキャスト・テクノロジー・センターで、年末までに完成する予定である。
CTBUHは200メートル以上の高層建築について、2019年も120~150棟が新たに完成すると見込んでいるが、中国の現在の建設ラッシュは、同国国内の経済状況によって、まもなく収束する可能性もあると考えている。
報告書は、経済状況について考慮すべき要素として、金融規制や債務処理の政策の強化による影響、米国との貿易戦争によって、鉄鋼製品などについて中国に対して課せられる関税が、世界や中国の建設業界に及ぼす影響などを挙げた。
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