トタール社は、トランプ政権が、イラン核開発６か国協議からの離脱を実行後、イラン相手に通商関係を継続している外国企業に制裁を行うという政治的圧力をかけたため、イランでのガス開発から撤退を余儀なくされた。

そのため、2017年にイラン側と契約を交わした50.1%の利権を得ることになっていた世界一のガス田規模を持つフェーズ２ガス開発計画を断念し、8月にイラン政府に計画からの離脱を申請した。...

トタール社は、トランプ政権が、イラン核開発６か国協議からの離脱を実行後、イラン相手に通商関係を継続している外国企業に制裁を行うという政治的圧力をかけたため、イランでのガス開発から撤退を余儀なくされた。

そのため、2017年にイラン側と契約を交わした50.1%の利権を得ることになっていた世界一のガス田規模を持つフェーズ２ガス開発計画を断念し、8月にイラン政府に計画からの離脱を申請した。なお、本ガス田開発の最初の投資規模は、10億ドル（＝1100億円）と予測されていた。

一方、CNPCは、当開発計画でトタール社の投資部分を肩代わりすることで当初の30%から、80%以上の利権を得ることになる。

2015年7月に締結されたイラン核開発6か国協議から米が離脱してから、米政権の圧力によりトタール社に限らず、ヨーロッパ系のイラン進出企業は相次いでイラン国内での生産活動や経済活動を中断もしくは停止を余儀なくされた。

なお、中国企業は、この状況を上手くとらえ、今後ともイランでの投資を増やしていくものと予想される。