先に閉幕したアジア太平洋経済協力会議(APEC)で、通商政策における米・中国間の対立から、首脳宣言の採択を断念するという異例の事態が発生した。習近平(シー・チンピン)国家主席は出席したものの、ドナルド・トランプ大統領が欠席したことでもあり、米中間の協議は、今月末に開かれる米中首脳会談に委ねられることになる。中国としては、この首脳会談で全く成果が得られない事態は避けたい意向のためか、それまでに米中間で波風を立たせないよう、当初寄港を拒否していた米軍艦の香港寄港を急きょ認める意向を表明した。
11月20日付米
『ワシントン・ポスト』紙(
『AP通信』配信):「米軍艦、直前に入港を拒否されていたものの今回は一転して寄港可能に」
香港海事局は11月20日、11月21日に香港に就航してくる米海軍空母及び3隻の軍艦の香港寄港を認めることを公表した。
入港予定なのは、米原子力空母“ロナルド・レーガン”及びその空母打撃群に属する3隻の軍艦である。
中国政府は今年9月、米海軍による度重なる挑発行為-米軍艦による南シナ海の中国主権の島嶼領海内への異常接近、また、台湾への不当な武器輸出等-に抗議するため、強襲揚陸艦“ワスプ”の香港寄港を拒否していた。...
全部読む
11月20日付米
『ワシントン・ポスト』紙(
『AP通信』配信):「米軍艦、直前に入港を拒否されていたものの今回は一転して寄港可能に」
香港海事局は11月20日、11月21日に香港に就航してくる米海軍空母及び3隻の軍艦の香港寄港を認めることを公表した。
入港予定なのは、米原子力空母“ロナルド・レーガン”及びその空母打撃群に属する3隻の軍艦である。
中国政府は今年9月、米海軍による度重なる挑発行為-米軍艦による南シナ海の中国主権の島嶼領海内への異常接近、また、台湾への不当な武器輸出等-に抗議するため、強襲揚陸艦“ワスプ”の香港寄港を拒否していた。
今月末、アルゼンチンで開催される主要20ヵ国首脳会議(G-20サミット)の機会を捉えて、ドナルド・トランプ大統領と習近平国家主席が首脳会談を持つ予定である。
トランプ大統領が仕掛けた米中貿易戦争が発生して以来、両首脳が直接協議するのは初めてのことである。
従って、中国政府が、両首脳会談の直前に、米中間に余計な対立を目立たせることは得策でないと判断したものとみられる。
同日付香港『香港フリー・プレス』オンラインニュース:「米中貿易戦争の最中、米軍艦が香港に寄港」
米中貿易戦争が発生している最中、米軍の4隻の軍艦が香港に寄港する。
香港海事局が11月20日にリリースした外国船入港リストによると、11月21日に米原子力空母“ロナルド・レーガン”、ミサイル駆逐艦“カーティス・ウィルバー”、ミサイル巡洋艦“チャンセラーズビル”、駆逐艦“ベンフォールド”の4隻が香港に寄港するという。
今年10月、香港寄港を予定していた米強襲揚陸艦“ワスプ”は、理由を示されずに入港を拒否され、止む無くシンガポールに寄港していた。
2016年4月にも、米空母“ジョン・スティニス”率いる空母打撃群の入港が拒否されていたが、今年10月の入港拒否の時期と同様、南シナ海領有権問題に関わり、米中間での緊張が高まる事態となっていた。
なお、空母“ロナルド・レーガン”の打撃群と空母“ジョン・スティネス”の打撃群は先週、フィリピン近海で両空母打撃群合同による海上訓練を実施していた。
閉じる