中央アメリカから移動中の移民キャラバン数千人が、アメリカとメキシコ国境の町、ティファナに到着。移民を支援する人がいる一方、不満を抱く住民500人が抗議デモを行った。一時国境が閉鎖され、住民の生活や仕事に影響も出たという。今後も移民は到着するとみられ、混乱は続くものとみられている。
11月20日付
『AP通信』は「ティファナでの抗議デモ後、不安を抱える移民」との見出しで以下のように報道している。
中央アメリカからメキシコを経由し国境の町ティファナに滞在する多くの移民キャラバンが、先週末の住民デモに不安を抱いている。トランプ大統領が移民には犯罪者やギャングが混じっていると主張することに基づく怒りのデモだが、何の根拠もない。
日曜フィファナの多くの場所で約500人が抗議デモを行った。...
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11月20日付
『AP通信』は「ティファナでの抗議デモ後、不安を抱える移民」との見出しで以下のように報道している。
中央アメリカからメキシコを経由し国境の町ティファナに滞在する多くの移民キャラバンが、先週末の住民デモに不安を抱いている。トランプ大統領が移民には犯罪者やギャングが混じっていると主張することに基づく怒りのデモだが、何の根拠もない。
日曜フィファナの多くの場所で約500人が抗議デモを行った。一週間前に到着した2500人の移民が滞在している市外地の競技場外を行進。ホンジュラス出身の女性移民は、2歳の子を連れ市場へ行ったら、デモ隊に囲まれ「出ていけ!」や「来るな!」と叫ぶデモ隊に囲まれとても恐怖を感じたという。その後は市警が群衆から助け出し、立ち入り禁止のテープの中に戻した。月曜はメキシコの祝日で、辺りのビジネス街は静かだった。競技場を警備するティファナ警察官は、住民の懸念は移民のほんの一部の悪行によるイメージによるものだと指摘する。ソーシャルメディア上で、暴動や壁を登ったり、窃盗の映像などの悪い噂が流されているが、ほとんどは、唯仕事を求めてくる貧しい人々なのだという。
数日の間に、1ヶ月以上かけて移動してきた3千人の移民キャラバンがティファナに押し寄せ、懸念が広がっている。今後数カ月後もまた移民がやってくる予定で、政府は間もなく1万人に達するものとみている。
在米メキシコ大使は、この状況は協力して移民問題を解決するための米・メキシコ、中央アメリカへの警鐘であると述べている。
ティファナの入国審査は一日あたり100人程度の処理能力。市民が移民を直接見ることはまれで、有刺鉄線がある競技場の3ブロック範囲内に限られる。住民は滞在期間が長くなれば、被害が生じ、犯罪が増加するのではと懸念している。
2016年以来、米国入国を目指す者を含むハイチ市民数千人がここに滞在、同時期には米国から数千人がメキシコへ送還されてきた。ティファナでは麻薬絡みの暴動が起き、キャラバンによる治安悪化を避けたいところ。
一方、米国は移民対策を強化、港湾の道をセメント壁で塞ぎ、上にレーザーワイヤーを入れ、強行突破を不可能にする等している。しかし、このような障壁は、仕事や買い物で米国との行き来をする住民に不便を与えてもいる。世界でも有数の陸の通関口であるサンイシドロでは、一日に車両4万台、歩行者3,4万人が通行する。
11月19日付英国『テレグラフ』は「メキシコ人による移民キャラバン抗議デモで、ティファナ国境通関が一時閉鎖に」との見出しで以下のように報道している。
ティファナでの移民キャラバンに対する抗議デモの影響で、最も通関量の多い国境を数時間閉鎖する事態となった。通関を待つ人で、数マイルに渡る長い列ができ、11万人が通行人に支障が出た。3千人の移民が到着し、多くの市民は、移民の困難な状況に同情し、牧師も週末寄付で集めた服を支給するなど支援しようとする人がいるが、一方、罵声をあげ、石を投げたり、殴るなどする住民も中にはいたという。
ティファナ市長は、移民は、手続きのため、半年ほど市内に滞在すると見られるとしている。移民の到着を“殺到”と表現する市長は、市は対策不足で、政府の支援要請中だとした。先週には、メキシコテレビで同市長は「移民の一部は、ならず者たちで、マリファナをやったり、市民を襲撃している。」と述べていた。同市は3千人の移民を市営競技場に収容、その他私営のシェルターは700人しか収容できない。
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