何千年も前から美意識の高い人は化粧をし、流行を追ってきた。現在世界の美容業界では、韓国主導の革命が起きているという。西欧諸国にはＫポップ、韓流ドラマが溢れ、多くの韓国セレブや歌手のスタイルに注目されている。韓国エンタメ業界のみならず、ここ１年半で、韓国の美容業界も西欧に進出している。...

何千年も前から美意識の高い人は化粧をし、流行を追ってきた。現在世界の美容業界では、韓国主導の革命が起きているという。西欧諸国にはＫポップ、韓流ドラマが溢れ、多くの韓国セレブや歌手のスタイルに注目されている。韓国エンタメ業界のみならず、ここ１年半で、韓国の美容業界も西欧に進出している。

小売り調査会社「ミンテル」によると、2017年韓国の美容業界は130億ドル市場。マリー・クレールのデジタル美容編集者によると、韓国コスメの人気はその革新性にあり、「大ブームが起きているというのでなく、インスタや美容ブログを駆使し、本質をとらえ」、韓国の美容業界は世界の１０～１２年先を行っているのだという。

その本質はスキンケア第一主義。化粧をする前に韓国人はスキンケアに努力を惜しまない。幼少期から肌の手入れをすることは、韓国文化に深く根付いており、化粧で隠す前に良い肌を保つことが韓国気質なのだ。

化粧の前に、洗顔、化粧水、乳液の３段階を踏むのが一般的だが、韓国人は自然派素材のものを使い肌の保湿を保つための１２段階を踏む。やり過ぎのようだが、実際肌に非常に良い成分を補っている。英国では全く違う。

また、業界内の競争が激しいため、韓国製品には他国よりも多くの研究が行われている。また、新しい独自の素材導入に積極的で、これも西洋にはない。保湿用に蛇の粘液、美白用に真珠、油コントロールに抹茶を取り入れたりする。

米国では１０～１７歳の女性のうち１３％が韓国美容を試すことに興味があると回答、１８～２２歳の女性の１８％が韓国コスメを使ったことがあるという。ミンテル調査会社のグローバル美容アナリストは、韓国コスメ人気は、デジタル市場戦略により広まったと指摘。インスタグラムやユーチューブでの商品レビューやデモ動画以外にも、カラフルなパッケージで消費者の関心を惹く。消費者が関心を持ち、自分で調べ、インフルエンサーにより、人気が広まった。ネットのオンライン販売もこれを後押し。

西欧の化粧品メーカーも、韓国コスメのスキンケア重視傾向を開発に取り入れている。イブサンローランは、刺激の少ないファンデーションや頬紅を商品化。大気汚染問題や動物実験など環境保護への関心の高まりとも相まって、コスメ業界は自然派嗜好となっている。

一方韓国では、女性のみならず、男性向けコスメの市場も拡大。スキンケアや化粧への考え方で韓国男性は女性とは違う傾向があり、自分を良く見せたり、快適に感じるように化粧を使う傾向が、特に若い世代にはあるという。西欧でも男性も徐々に化粧に関心を示しているが、まだ韓国には及ばない。最近シャネルは、男性用化粧品（Boy de Chanel）を本拠地フランスではく韓国で立ち上げた。

１０月２０日付英国『テレグラフ』は「理想を押し付け、整形を強要しないでほしいと韓国女性」との見出しで以下のように報道している。

「整形大国とされる韓国の女性は、女性らしい美しさのスタンダードの強要に抵抗し始めている。ソーシャルメディア上の投稿では、「美容抵抗派」として、キャリアや結婚においても欠点のない女性像を求める男性優位社会の韓国に抵抗している。セクハラ反対運動「ＭｅＴｏｏ」の頃から東アジア諸国では、著名なフェミニストらの「脱コルセット」運動と呼ばれるものが浸透。つけまつげを外し、厚化粧をとり、すっぴんを見せる動画がブームとなった。インスタグラムでは髪を短くしたり、化粧品を壊す画像もあり、賛否の声が上がった。

何年も韓国の若い女性は、完璧に見える女性であるよう社会から圧力を受けてきた。3人に1人が整形手術をし、それ以外にも肌専門クリニックに通院している。この背景から韓国美容業界は、美白のうす付きピンクの口紅などで１８０～２４０億ドル市場を維持。フェミニストの怒りの爆発を背景とした「脱コルセット」運動は、韓国社会における女性の権利の低さを示すものである。