トランプ米大統領は1日、米国とメキシコ、カナダによる北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新貿易協定「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」は、3カ国全てにとって「素晴らしい合意」であるとツイッターへの投稿で絶賛した。カナダのトルドー首相は、合意は「難しい妥協」だったとしており、酪農・鉄鋼業界などからは批判も出ている。
1994年から24年間有効だったNAFTAについて、トランプ大統領は「ひどい内容」であると酷評し、1年間にわたり3カ国による厳しい交渉が行われてきたが、30日の深夜、交渉期限ぎりぎりとなって、ついに米国とカナダの間の合意が成立した。米国とメキシコ間は既に合意済であり、3カ国は11月末のUSMCA署名を目指すこととしている。
トランプ大統領はツイッターで、「昨夜遅く交渉期限が迫る中、我々はカナダと素晴らしい新貿易協定について合意に達し、既に合意したメキシコとの協定にこれが加わる。...
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1994年から24年間有効だったNAFTAについて、トランプ大統領は「ひどい内容」であると酷評し、1年間にわたり3カ国による厳しい交渉が行われてきたが、30日の深夜、交渉期限ぎりぎりとなって、ついに米国とカナダの間の合意が成立した。米国とメキシコ間は既に合意済であり、3カ国は11月末のUSMCA署名を目指すこととしている。
トランプ大統領はツイッターで、「昨夜遅く交渉期限が迫る中、我々はカナダと素晴らしい新貿易協定について合意に達し、既に合意したメキシコとの協定にこれが加わる。」とカナダの譲歩を評価し、「3カ国全てにとって素晴らしい協定だ。」と称賛した。
USMCAはNAFTAと同様の内容も多く含まれているが、米国の自動車部品の使用割合の増加や自動車産業に関わる労働者の雇用の創出、特にカナダが制限しようとしていた米国の農産物や乳製品の輸出の増加などの効果が見込まれており、カナダとメキシコの対米輸出については、自動車の輸出枠など現在以上の制限が課せられる内容となっている。
トランプ大統領はホワイトハウスで行われた記者会見で、USMCAは歴史的な合意であり、北米各国を「製造業の強大国」として復活させ、米国の経済拡大にも繋がると評価した。そしてUSMCAを「史上で圧倒的に最重要の貿易合意」と表現し、中間選挙に向けた自身の目玉政策での成果を強調した。
一方、カナダのトルドー首相は、合意が成立したことで先行きの不透明感が払拭されたと述べたが、困難な妥協もしなければならなかったことを認めた。酪農業界からは、同国の乳製品市場の米酪農業者への一部開放に対する不満が表明されている。また米鉄鋼・アルミ関税の適用除外が含まれなかったことなどにより、鉄鋼業界からも批判が出ている。
トルドー首相は記者会見で、「我々は妥協をしなければならなかった。その内の幾つかは他よりも困難なものであった。決して簡単な交渉とは思わなかったが、やはり簡単ではなかった。しかし今日はカナダにとって良い日になった。」と交渉を振り返った。
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