University College of Londonが今年7月に出版した研究によると、海外留学生数第3位のオーストラリアで年々増加しており、英国の海外留学生数を上回るのも近いと予想されている。
その研究で、シモン・マージンソン教授はその理由を次のように説明している。 すなわち、英国の高等教育は国際的に高く評価されているが、これまでの5年間に政府は、卒業後の就業ビザ数に制限を設けることで、外国人留学生の増加に歯止めをかけていることが原因している。...
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University College of Londonが今年7月に出版した研究によると、海外留学生数第3位のオーストラリアで年々増加しており、英国の海外留学生数を上回るのも近いと予想されている。
その研究で、シモン・マージンソン教授はその理由を次のように説明している。 すなわち、英国の高等教育は国際的に高く評価されているが、これまでの5年間に政府は、卒業後の就業ビザ数に制限を設けることで、外国人留学生の増加に歯止めをかけていることが原因している。
さらに同教授によると、過去3年間、英国はオーストラリアに比べて、約13万人多い海外留学生を募集していたが、オーストラリアでは毎年、12%から14%の増加率で海外留学生を受け入れていて、それに比べ、英国での海外留学生の増加率は、小さな値となっている。
大学都市の大学評価機関、クアクアレリ・シモンズ社(QS)によると今年2018年、ロンドンがモントリオールに代わって、世界一の大学都市の栄誉に輝いたが、同教授によると、オーストラリアの大学都市、メルボルンとシドニーが英語圏の魅力ある都市としていずれも大学都市トップ10に名を連ねていることに着目している。 同教授は、オーストラリアの大学都市に海外留学生の数が、今後とも増加していく余地は充分あると見ている。
英国の国際文化交流機関、ブリティッシュ・カウンシルでは、英国が、海外留学生受け入れを、英国の国際的地位と影響力の維持のための「ソフト・パワー」と位置付けて、留学生制度を再検討することを強く要求している。とりわけ、海外留学生は、本年度、英国に200億ポンド(=約3兆円)をもたらしており、英国経済においても重要な因子を占めている。
したがって、英国としては、英国EU離脱での海外留学生数への影響を最小限に留めるような海外留学生受け入れ制度の抜本的な見直しが必要であろう。
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