フランス大統領府は15日、大統領官邸であるエリゼ宮の一般公開に合わせ、公認グッズの販売を開始した。しかし、販売予定の商品の内、「リモージュ磁器」の窯印入りのマグカップが産地偽装で中国製の可能性があることが判明し、大統領府は直ちに商品の納入業者との取引を今後打ち切ると発表するなど、歴史ある磁器ブランドの保護措置を取った。AFP通信などのメディアが報じている。
フランス大統領府は、同国国旗の赤・白・青の3色のマカロン、時計、塗り絵の本など、大統領をたたえる新たなエリゼ宮公認グッズの販売を15日から開始した。通常は訪問者が立ち入りできない政府の庁舎など、宮殿内部が一般公開されるのに伴い、第一弾の商品56点がエリゼ宮中庭の期間限定の売店で販売されたが、その内の半数強は15ユーロ(約2,000円)未満のものとなっている。
約20社のフランス企業の協賛によりグッズは販売されており、大統領と夫人のTシャツ、時計ブランドのリップによるエリゼ宮のロゴ入りの時計、マグカップなどのコラボ商品が生まれた。...
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フランス大統領府は、同国国旗の赤・白・青の3色のマカロン、時計、塗り絵の本など、大統領をたたえる新たなエリゼ宮公認グッズの販売を15日から開始した。通常は訪問者が立ち入りできない政府の庁舎など、宮殿内部が一般公開されるのに伴い、第一弾の商品56点がエリゼ宮中庭の期間限定の売店で販売されたが、その内の半数強は15ユーロ(約2,000円)未満のものとなっている。
約20社のフランス企業の協賛によりグッズは販売されており、大統領と夫人のTシャツ、時計ブランドのリップによるエリゼ宮のロゴ入りの時計、マグカップなどのコラボ商品が生まれた。フランスのトリコロール国旗から着想を得たマカロンは、有名パティシエのピエール・エルメ氏によるものだ。
商品は大統領府のホームページでも販売され、その売り上げの12パーセントが、300年の伝統を誇るエリゼ宮の維持・回収費用に充てられる。協賛各企業は、来年から大統領府のライセンスの下で、国内外の店舗などで商品の直販を行うことができる。
しかしながら、これら販売予定だった公認グッズの1つ「リモージュ磁器」の窯印入りマグカップが、産地偽装で中国製の可能性があることが判明した。これを受けて大統領府の報道官はメディアに対し、「エリゼ宮はマグ・イン・フランス社との取引を中止する。」として、同社がリモージュ磁器の名をかたった商品を提供したことを明らかにした。
専門家は、同商品はリモージュ産ではなく、フランス製でもない可能性が高いとしている。1770年頃からの長い歴史があり、世界有数の高級磁器の生産地であるリモージュの陶工らは、この産地偽装に激怒した。
リモージュ磁器の窯印は、製造から装飾までの全ての工程が、同市のある仏中部オート・ヴィエンヌ県内で行われた磁器でなければ押印できない。問題の商品は、装飾工程はフランス国内で行われたが、同県内ではなく、南部のトゥールーズで行われたものだという。
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