既報どおり、ドナルド・トランプ大統領は、中間選挙を2ヵ月後に控えて、8月だけで選挙集会・資金パーティを約20回も開催し精力的に動いている。一方、同大統領によって事ある毎に自身の政策を否定・批判されているバラク・オバマ前大統領も、さすがにこれ以上の暴挙は許さじと思ってか、長い間の沈黙を破って遂に民主党候補者擁護のキャンペーンに動き始めた。ただ、多くの共和党関係者は、前大統領からトランプ大統領の政策は非難されても、投票を呼び掛けるメッセージは、むしろ共和党に追い風になると強気の発言をしている。
9月8日付
『USAトゥデイ』紙:「共和党、オバマ氏が中間選挙キャンペーンで反トランプの発言をすることでむしろ同党にとって追い風となると表明」
バラク・オバマ前大統領が9月7日、イリノイ州の大学での演説で、ドナルド・トランプ大統領の悪政を批判した後、傍聴の学生らに対して11月の中間選挙の投票を呼び掛けた。
ただ、共和党関係者の多くは、トランプ政権へのスキャンダル報道が続いた後であったため、オバマ氏が投票を呼び掛けてくれることがむしろ追い風(反オバマの再現)になると強気である。...
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9月8日付
『USAトゥデイ』紙:「共和党、オバマ氏が中間選挙キャンペーンで反トランプの発言をすることでむしろ同党にとって追い風となると表明」
バラク・オバマ前大統領が9月7日、イリノイ州の大学での演説で、ドナルド・トランプ大統領の悪政を批判した後、傍聴の学生らに対して11月の中間選挙の投票を呼び掛けた。
ただ、共和党関係者の多くは、トランプ政権へのスキャンダル報道が続いた後であったため、オバマ氏が投票を呼び掛けてくれることがむしろ追い風(反オバマの再現)になると強気である。
例えば、2016年の大統領選の際にマルコ・ルビオ共和党上院議員の選挙参謀だったアレックス・コナン氏は、オバマ氏の登場は、世間をトランプ氏への注目から目を逸らせてくれ、また、共和党支持者に投票することが如何に大事かを気付かせてくれるので、むしろ共和党への“ギフト”となると語った。
実は先週、ジャーナリストのボブ・ウッドワード氏が、トランプ大統領側近は誰も同大統領を信用していない等と記した暴露本を出版した。更に、『ニューヨーク・タイムズ』紙の9月5日版に掲載された、トランプ政権内の匿名高官による投稿で、同大統領のやり方は衝動的で、対立を煽り、ケチで、また効果のないものだと酷評されていた。
また、ホワイトハウス元高官でトランプ氏の息子の顧問であるアンドリュー・スラビアン氏は9月8日、本紙のインタビューに答えて、オバマ氏のトランプ大統領批判の発言によって、トランプ氏に投票した人たちに“支配階級の政治家に抗う候補者”に投票したことを思い出させてくれるので、むしろトランプ氏を引き立てることになるとコメントしている。
更に、リンゼイ・グラハム共和党上院議員も9月8日、オバマ氏が自身の政権時代の“成果”を強調すればする程、それに反発して共和党候補者に投票した人たちにとって、再度トランプ大統領の共和党に投票しようと思うようになり、2020年に同大統領の再選にも追い風になると表明した。
なお、オバマ氏は9月8日、カリフォルニア州でも演説したが、このときは共和党関係者のコメントに配慮したのか、トランプ大統領を直接批判する発言は控えていた。
一方、民主党関係者はオバマ氏の登場を歓迎している。
2016年大統領選時にヒラリー・クリントン候補の選挙参謀だったジェシー・ファーガソン氏は、オバマ氏は危機に瀕している改革派(民主党)に再び勇気を与えてくれ、また、無党派層の人たちに、米国にとって恥とならない大統領を選びたいと思わせてくれるからであると表明した。
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