中間選挙を2ヵ月後に控えて、トランプ大統領は精力的に動き始めていて、8月だけで選挙集会・資金パーティを約20回も開催している。1860年頃に二大政党制が確立されて以降実施された中間選挙39回の内、実に36回にわたり与党が大きく議席を減らす結果となっていることから、自分第一主義の同大統領としては、このデータを覆そうと躍起になっているものとみられる。そうした最中、与党・共和党の牙城であるアリゾナ州において昨年、反トランプ派を目の敵にした過剰警備が行われたとして、同グループらが市警を相手取って提訴したとの報道がなされている。トランプ政権にとって、これも逆風となるかも知れない。

9月4日付『AP通信』：「フェニックスでのトランプ支持者集会々場外での過剰警備に対して、反トランプ派グループが市警を提訴」

　　反トランプ派の主要グループ2つが9月4日、昨年のフェニックスにおけるトランプ支持者集会々場外で、同市警によって催涙ガス等で表現の自由を妨害されたとして、同市警を相手取って提訴した。

　　2つのグループとは、移民を支援する“プエンテ（スペイン語で橋の意味）”と、黒人・ラテン系米人（ヒスパニック）等の移民社会への影響を問題視する“ポダー・イン・アクション（ポダーはスペイン語で“できる”の意）”で、他に4つの反トランプ派グループも同訴訟に加わっている。...

9月4日付『AP通信』：「フェニックスでのトランプ支持者集会々場外での過剰警備に対して、反トランプ派グループが市警を提訴」

　　反トランプ派の主要グループ2つが9月4日、昨年のフェニックスにおけるトランプ支持者集会々場外で、同市警によって催涙ガス等で表現の自由を妨害されたとして、同市警を相手取って提訴した。

　　2つのグループとは、移民を支援する“プエンテ（スペイン語で橋の意味）”と、黒人・ラテン系米人（ヒスパニック）等の移民社会への影響を問題視する“ポダー・イン・アクション（ポダーはスペイン語で“できる”の意）”で、他に4つの反トランプ派グループも同訴訟に加わっている。

　　提訴の詳細は、
　・トランプ支持者集会々場外で集まった反トランプ派グループに対してフェニックス市警は、数名の暴徒を排除しないで集まった全員を目掛けて催涙ガス等を浴びせて、集会・表現の自由を妨害。

　・同市警が初めて同会議場周辺から立ち去るようアナウンスしたのは、唐辛子スプレーや催涙ガスを浴びせてから30分程経過後。

　・集会に集まった多くの人たちは静かに行動していて、催涙ガス弾を蹴飛ばしたりして抵抗したのはごく一部の人。

　・一方、トランプ支持者グループに市警は特別な対応をしており、反トランプ派への過剰警備は明らかに不条理。

　　なお、昨年フェニックスを訪れたドナルド・トランプ大統領は、連邦判事の命令に背いて移民に対して差別的扱いを続けて訴追されたジョー・アルパイオ前保安官（アリゾナ州マリコパ郡）に対して、恩赦を与えるとの発言をしていたため、反トランプ派が挙って反対運動を展開していた。