米北東部のバーモント州で14日、州知事選の民主党候補を決定する予備選が実施され、心と体の性が一致しないトランスジェンダーの女性、クリスティン・ハルクイスト氏（62）が指名を勝ち取った。米メディアは、同国初のトランスジェンダー知事の誕生に一歩近づいたと大きく報じている。

ハルクイスト氏（「ホールクイスト」とも表記）は、元海軍兵士で環境保護主義者であるジェームズ・エーラス氏、ダンスフェスティバル総監督を務めるブレンダ・シーゲル氏、14歳で立候補したイーサン・ソナボーン氏らを破り、民主党の指名を獲得した。ハルクイスト氏は、「全世界がトランスジェンダー候補にとっての歴史的瞬間と見ているが、州民は、我々が州のために何をしようとしているかを見ていた。」と勝因を語った。

ハルクイスト氏は11月の知事選で、2期目を目指す現職の共和党フィル・スコット知事（60）に挑むが、厳しい戦いが予想される。...

ハルクイスト氏（「ホールクイスト」とも表記）は、元海軍兵士で環境保護主義者であるジェームズ・エーラス氏、ダンスフェスティバル総監督を務めるブレンダ・シーゲル氏、14歳で立候補したイーサン・ソナボーン氏らを破り、民主党の指名を獲得した。ハルクイスト氏は、「全世界がトランスジェンダー候補にとっての歴史的瞬間と見ているが、州民は、我々が州のために何をしようとしているかを見ていた。」と勝因を語った。

ハルクイスト氏は11月の知事選で、2期目を目指す現職の共和党フィル・スコット知事（60）に挑むが、厳しい戦いが予想される。一方、スコット知事は、本知事選は従来の予想より伯仲した戦いになるとして、気を引き締めた。スコット氏は、全米で問題となった学校での銃乱射事件を受けて、銃規制の強化を表明しており、これが同氏の支持基盤である狩猟団体などの反発を買い、苦しい立場に追い込まれている。

LGBTQ（性的少数者）の候補者を支援する組織「ヴィクトリー・ファンド」は、「歴史を作った！（クリスティンは、）米国史で初めて主要政党に指名されたトランスジェンダー／ノンバイナリー（男女いずれにも属さない）の知事候補となった。」とツイートした。

ハルクイスト氏は、地元の電力会社バーモント・エレクトリシティの元最高経営責任者（CEO）で、CEO在職中の2015年に男性から女性に転換し、名前も「デービッド」から「クリスティン」に変更した。

同氏の選挙運動のウェブサイトには、「クリスティンは数年間自身の中に秘めていたが、本当の自分、すなわちトランスジェンダーの女性であることをカミングアウトする決心をし、在職中に性別移行した米国初のビジネスリーダーになった。」と記されている。

ウェブサイトはまた、知事選に立候補した理由について、「バーモントをこれまでのように特別で、寛容で進歩的な場所とするために働くことが、次期州知事としてバーモントの人々のために尽くす名誉と機会を求める動機になっている。」と説明している。