オーストラリア国立スポーツ研究所(AIS)は14日、2020年の東京オリンピックで同国のメダル獲得数を伸ばすために、選手が重圧の下でも良いパフォーマンスを発揮することができるように、軍と提携関係を締結したことを明らかにした。
前回2016年のリオデジャネイロ・オリンピックでは、オーストラリアのメダル獲得数は、金8、銀11、銅10の合計29個に終わり、国別ランキングでは世界10位だったが、これは過去24年間で最低の成績だった。日本はリオで、金12、銀8、銅21の計41個で上位7位に入り、前々回のロンドン大会を上回る過去最多のメダルを獲得している。
14日に発表されたAISと軍との提携関係は、リオ五輪での成績低迷を受けて、オーストラリアがスポーツ大国として復活するために結ばれたものであり、その一環として、11月から、軍の兵士がトップ・アスリートらを指導するプロジェクトが開始する。...
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前回2016年のリオデジャネイロ・オリンピックでは、オーストラリアのメダル獲得数は、金8、銀11、銅10の合計29個に終わり、国別ランキングでは世界10位だったが、これは過去24年間で最低の成績だった。日本はリオで、金12、銀8、銅21の計41個で上位7位に入り、前々回のロンドン大会を上回る過去最多のメダルを獲得している。
14日に発表されたAISと軍との提携関係は、リオ五輪での成績低迷を受けて、オーストラリアがスポーツ大国として復活するために結ばれたものであり、その一環として、11月から、軍の兵士がトップ・アスリートらを指導するプロジェクトが開始する。
本プロジェクトには、約120人の選手やコーチらが参加する予定であるが、軍の指導の主たる目的は、認知能力や身体能力の向上だ。メンタルヘルスと健康・幸福感、プレッシャーを感じる中でのパフォーマンス、怪我や病気の防止、才能を高いパフォーマンスに変えることの4つの重要項目に取り組んでいく。
AISディレクターのピーター・コンデ氏によれば、リオ五輪でオーストラリアは、メダルにわずかに届かなかった4位~8位の入賞者が最も多かったという。コンデ氏は、「AISはこの機会に、我が国のスポーツ、アスリート、コーチ陣を成長させ、表彰台に上がるための潜在的能力を、実際のメダル獲得へとつなげていく。」と説明した。
コンデ氏はさらに、「軍とスポーツと言えば、人々が抱くイメージは、回復力を養うブートキャンプのようなものが多いだろう。この提携関係はさらに進化したものであり、教育の機会、人材育成、習熟の技術、重圧に対処する戦略を探求する。トップ・アスリートがパフォーマンスのピークに到達し、オリンピックの状況下でそれを維持する能力を開発する機会となる。」として、今回のプロジェクトの意義を強調している。
一方、軍幹部のリック・バー氏は、「軍は人間の能力をいかに最大限に引き出すかに着目しており、提携はパフォーマンスを常に向上させるために何ができるかに集中している。」と、プロジェクトが兵士の思考や行動のためにも有益な機会を提供すると述べた。
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