米国連代表部が先月中旬、国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会に対し、北朝鮮が今年1~5月末の間だけで、洋上密貿易(禁輸の石油精製品等を洋上で積み替える瀬取り)を89回も実施したと告発した。瀬取りの監視には日本の海上自衛隊や海上保安庁も繰り出しているが、北朝鮮は日本のみを名指しで北朝鮮敵視国家と声高に叫び、事態を混乱させようとしてきている。この事態に鑑みて、英国海軍が2隻目、3隻目の軍艦を監視航行に投入することを決定した。
8月7日付
『ザ・ディプロマット』オンラインニュース:「海軍協力で日英“世界規模の安全保障連携”」
在日本英国大使のポール・マデン氏は記者会見で、英国海軍の輸送揚陸船艦“アルビオン”が、日本近海での北朝鮮による国連制裁違反を監視する航行を行っている旨明かした。
同艦の監視航行投入は2隻目となるが、同艦は横須賀港で整備後の7月から8月末まで監視任務が続けられるとする。また、3隻目も今年後半に投入されるという。...
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8月7日付
『ザ・ディプロマット』オンラインニュース:「海軍協力で日英“世界規模の安全保障連携”」
在日本英国大使のポール・マデン氏は記者会見で、英国海軍の輸送揚陸船艦“アルビオン”が、日本近海での北朝鮮による国連制裁違反を監視する航行を行っている旨明かした。
同艦の監視航行投入は2隻目となるが、同艦は横須賀港で整備後の7月から8月末まで監視任務が続けられるとする。また、3隻目も今年後半に投入されるという。
北朝鮮による禁輸対象の石油精製品等の瀬取りは頻繁に行われていて、日本政府としては、北朝鮮の非核化実現まで国連制裁は厳しく履行すべきと主張している。
これに基づき、海上自衛隊・海上保安庁を中心に監視に当っているが、これまでの米国・カナダ・豪州との共同活動に加えて、英国からの支援も得られることになった。
ただ、北朝鮮の瀬取り行為は巧みに何度も実施されていて、日本外務省の先週の発表でも、7月31日の深夜、上海の400キロメーター沖の東シナ海で、北朝鮮船籍タンカーの“ナムサン8号”と中国船籍とみられる船が洋上積み替えを行っていたとする。
日英間では昨年8月、安倍晋三首相とテリーザ・メイ首相が、世界規模での両国安全保障連携を更に強化していくことで合意している。
在日本駐在武官のポール・キャッソン英海軍大佐は、英国はこれまで、中近東やアフリカの角(アフリカ大陸東端の半島)の任務や、地中海での難民対応に追われていたが、国際社会の関心事、かつ、英国にとっても重要な東アジア情勢に関わっていくことが重要と判断していると語った。
なお、航空自衛隊と英国空軍は2016年に共同軍事演習を実施しており、また、今年10月には、英国陸軍が訪日して共同訓練を行う計画である。
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