スリランカは、マヒンダ・ラジャパクサ前大統領時代（2005～2015年）に深刻な人権問題を起こしていたことから、日本含めた西側諸国が距離を置いていた。その隙に急接近したのが中国であり、特に習近平（シー・チンピン）国家主席が掲げる一帯一路経済圏構想の一環で、インド洋の沿岸各地で港湾建設に携わる「真珠の首飾り」戦略を掲げ、同国南部のハンバントタ港を大規模開発し、その経営権まで獲得している。そこで、南シナ海のみならずインド洋まで勢力を拡大する中国に対抗すべく、河野外相が今年1月、日本の外相として15年振りにスリランカを訪問し、マイトリーパーラ・シリセナ現大統領らと会談し、両国の協力関係再構築に努めた。そしてこの程、スリランカの首都において、両国外務省・防衛省の実務部隊による海洋安全保障対話が開催された。

7月22日付『スリランカ・ニュース』：「スリランカ・日本間海洋安全保障対話は成功裏に終了」

　　スリランカ外務省代表団及び日本の外務省代表団との間で7月19日、第3回海洋安全保障対話が首都コロンボで開催された。

　　両国対話は、2015年にラニル・ウィクラマシンハ首相が訪日した際、両国間で包括的パートナーシップ協定が締結され、以降毎年開催されている。

　　同対話の主要議題は、インド太平洋並びにインド洋における港湾、海上輸送、海洋安全保障分野における相互協力である。...

7月22日付『スリランカ・ニュース』：「スリランカ・日本間海洋安全保障対話は成功裏に終了」

　　スリランカ外務省代表団及び日本の外務省代表団との間で7月19日、第3回海洋安全保障対話が首都コロンボで開催された。

　　両国対話は、2015年にラニル・ウィクラマシンハ首相が訪日した際、両国間で包括的パートナーシップ協定が締結され、以降毎年開催されている。

　　同対話の主要議題は、インド太平洋並びにインド洋における港湾、海上輸送、海洋安全保障分野における相互協力である。

　　特に、スリランカ政府側からは、日本側からの監視船2隻の供与や、数多くの海上訓練機会の提供について謝意が表明された。

　　更に同対話において、海上自衛隊とスリランカ海軍・空軍・沿岸警備隊間の協力体制強化について合意されている。

　　なお、スリランカ側からは、外務省のサシカラ・プレマワドゥハン海洋政策・気候変動局長、及び国防省、港湾省、港湾管理委員会、海軍、空軍、沿岸警備隊の代表が出席した。 　　日本側からは、外務省アジア大洋州局の吉武将吾南西アジア課長、及び防衛省、在コロンボ日本大使館、海上保安庁の代表が出席した。