米国海軍が主催する環太平洋合同演習(RIMPAC、注後記)がハワイ沖周辺海域で行われている。中国海軍は、2014年より参加しているが、RIMPAC 2018については、中国軍による南シナ海での一方的軍事拠点化を非難して、米国が招待を取り消した。しかし、転んでもただでは起きない中国海軍は、密かに情報収集艦をハワイ沖に派遣して、スパイ活動を展開している模様で、米側から更に非難されている。
7月13日付米
『ボイス・オブ・アメリカ』:「中国海軍艦船が国際海上合同演習をスパイ活動」
米海軍太平洋艦隊報道官は7月13日、中国情報収集艦が7月11日にハワイ沖に到着し、米国の排他的経済水域(EEZ)内でスパイ活動を展開していると非難する声明を発表した。
ハワイ沖では現在、世界最大規模の海上合同演習RIMPAC 2018が実施されている。
中国海軍も当初、同演習に招待されていたが、南シナ海における直近の一方的な軍事拠点化増強を非難して、米側が今年5月に招待を取り消している。...
全部読む
7月13日付米
『ボイス・オブ・アメリカ』:「中国海軍艦船が国際海上合同演習をスパイ活動」
米海軍太平洋艦隊報道官は7月13日、中国情報収集艦が7月11日にハワイ沖に到着し、米国の排他的経済水域(EEZ)内でスパイ活動を展開していると非難する声明を発表した。
ハワイ沖では現在、世界最大規模の海上合同演習RIMPAC 2018が実施されている。
中国海軍も当初、同演習に招待されていたが、南シナ海における直近の一方的な軍事拠点化増強を非難して、米側が今年5月に招待を取り消している。
米国防総省報道官のクリストファー・ローガン中佐は、中国軍による南シナ海における活動はRIMPACの行動規範や演習目的に反するものである、と非難している。
また、合同軍海兵部隊指揮官のパブロ・ニーマン准将(チリ軍人)は、中国情報収集艦の出現に失望していると語った。
なお、軍高官によると、中国海軍は以前もRIMPACにおいてスパイ活動を行っていたとコメントしている。
一方、同日付ロシア『スプートニク・インターナショナル』オンラインニュース:「米軍と自衛隊がRIMPACで地対艦ミサイルを試射」
米軍高官は、自衛隊保有の12式地対艦ミサイルによって、60マイル(約96キロメーター)沖の米戦車揚陸艦“レーシン”を目標とした試射が成功したと発表した。
同攻撃シミュレーションは、現在進行中のRIMPAC 2018の中で実施されたものだが、実際に艦船を沈没させず、ただ目標物だけを狙ったミサイル発射で、弾頭は付けず少量の爆薬を装填しただけだという。
米太平洋陸軍総軍のロバート・ブラウン将軍は、日米両軍の連携の成果が証明できたと語った。
また、米陸軍機動部隊のクリス・ウェントランド大佐は、艦船を沈没させることなく、艦上の対象物だけを損傷させる作戦が奏功したとコメントした。
かつて敵どおしであった日米両軍が、共同して作戦を実行するのは歴史的な出来事である。
なお、RIMPAC 2018は、25ヵ国、艦艇46隻、潜水艦5隻、戦闘機200機以上、そして2万5千人の将兵が参加して、ハワイ沖で8月2日まで実施される。
(注)IMPAC:1971年に、米・加・豪・ニュージーランド4ヵ国で始められた、海上合同演習。海上自衛隊も1980年に初参加して以降、毎回参加している。中国海軍は2014年に初参加したが、当時も、演習参加艦艇以外に情報収集艦も近海に派遣し、他国艦艇の諜報活動を行い、顰蹙を買った。RIMPAC 2018には、イスラエル・ベトナム・スリランカ海軍が初参加。
閉じる