米国防総省は9日、8月に実施が予定されていたが、先月シンガポールで行われた歴史的な米朝首脳会談を受けて見送りが決定した米韓合同軍事演習「フリーダム・ガーディアン」の費用は、約1,400万ドル(約16億円)であると発表した。
トランプ米大統領は、米朝首脳会談後の記者会見で、韓国との合同軍事演習を中止することを発表した際、演習は挑発的で「莫大な」費用がかかると批判していた。大統領は、米朝交渉が進展している限り、演習は中止すると説明した。その後、ツイッターにも、その決定により「大金が節約できる。」と書き込んでいる。
国防総省が米韓軍事演習の費用を公表したのは初めてのことである。約1,400万ドルの金額は、些細な額ではないが、7,000億ドル(約78兆円)の軍事予算のほんの一部であり、トランプ大統領が言うほど莫大なものではない。...
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トランプ米大統領は、米朝首脳会談後の記者会見で、韓国との合同軍事演習を中止することを発表した際、演習は挑発的で「莫大な」費用がかかると批判していた。大統領は、米朝交渉が進展している限り、演習は中止すると説明した。その後、ツイッターにも、その決定により「大金が節約できる。」と書き込んでいる。
国防総省が米韓軍事演習の費用を公表したのは初めてのことである。約1,400万ドルの金額は、些細な額ではないが、7,000億ドル(約78兆円)の軍事予算のほんの一部であり、トランプ大統領が言うほど莫大なものではない。費用を公表した国防総省報道官のマニング大佐は、金額の算出根拠などの詳細については、明らかにしなかった。
大規模な演習の遂行に関連した費用の多くは、既に軍事予算に織り込まれている。しかし、公式演習の実施の有無に関係なく、在韓米軍は継続して訓練を行っているため、演習を中止したとしても、大きな節約にはならないと関係者は見ている。米国は韓国に約2万8,500人の部隊を駐留させており、彼らは韓国軍と日常的に訓練を行っている。
フリーダム・ガーディアンは年次の演習であり、通常は2週間をかけて行われる。昨年は約1万7,500人の米兵と約5万人の韓国兵が参加し、オーストラリア、カナダ、コロンビア、デンマーク、ニュージーランド、オランダ、英国の軍隊もこれに加わった。演習の大部分が、野外での訓練ではなく、コンピュータ化した指令・制御訓練であり、北朝鮮はこれを侵略のための高度な挑発的な演習と見なしてきた。
トランプ大統領の演習中止の決定については、国防総省や米軍の多くの関係者が事前に承知しておらず、混乱を引き起こした。軍の有事の対応への備えや、同盟国との関係上も重要なものであり、国内の強い反発を招いている。
米朝首脳会談では、北朝鮮から核の放棄に向けた確約を取り付けることについて、具体的に得られたものが殆どなかったにも関わらず、トランプ大統領が、金委員長の演習中止の要求に対し、余りにも容易に譲歩したとの強い批判がある。
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