ニールセン国土安全保障長官は19日夜、ワシントンD.C.にあるメキシカンレストランで食事をした際、家族を引き離すトランプ大統領の移民政策を擁護しているとしてやじを飛ばされた。また、サンダース報道官は22日夜、大統領とその政策を擁護しているとして、バージニア州のレストラン店主から退店するよう丁重に依頼され、応じた。SNSでは賛否両論が飛び交っている。
しかしこれを聞いて衝撃を受けた人は、トランプ政権に対する反対感情の強さを把握していないともいえよう。...
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ニールセン国土安全保障長官は19日夜、ワシントンD.C.にあるメキシカンレストランで食事をした際、家族を引き離すトランプ大統領の移民政策を擁護しているとしてやじを飛ばされた。また、サンダース報道官は22日夜、大統領とその政策を擁護しているとして、バージニア州のレストラン店主から退店するよう丁重に依頼され、応じた。SNSでは賛否両論が飛び交っている。
しかしこれを聞いて衝撃を受けた人は、トランプ政権に対する反対感情の強さを把握していないともいえよう。大統領自身も数週間前、自分に反対する人々はただ怒っているのではなく「本当に、本当に怒っている」と支持者らに語った。トランプ大統領をアメリカにとって脅威と見なす人々もいるのだ。
よって、政権メンバーが抗議の対象となることは決して驚くべきことではない。自分の意志で大統領のために仕事をすることを選んでいるので、抗議されても仕方がない。
今回のケースは単に共和党員や保守派であることを理由に退店や命じたり抗議したりしているのとは違う。トランプ大統領の不道徳的な政策の策定と擁護に非常に公的に関与している人々を対象としている。
現に数日前に公然と政権の移民政権を擁護していたため、ニールセン長官のケースでは、「あなたは赤ちゃんが泣いているのが聞こえますか。子供たちが平和な食卓につけないなら、あなたも平和に食事をすることはできない。」と人々は抗議した。
またサンダース報道官に退店を命じたレストラン「レッド・ヘン」のオーナーのウィルキンソン氏は、23日に報道陣に、「私は衝突が好きではないが、事業を経営しており、経営は大事だ。今こそ道徳的な信念を守るために不快な行動や意思決定をしなければならない民主主義の瞬間だと感じている。」と述べた。兵役を希望するトランスジェンダーの国民に対する大統領の差別的禁止やアメリカ的とは言えない移民政策を背景に、「レストランには、正直さ、思いやり、協力など、維持しなければならないと感じている特定の基準があると説明した。」
顧客へのサービス提供を否定することは本質的には問題である。黒人が公民権法以前はレストランで食事ができなかったことや、最近では同性カップルにウェディングケーキを提供することが拒否されたことが思い出されるだろう。
しかし、サンダース報道官とニールセン長官のケースでは、上記の例と同じ土俵上では考えられない。人種、宗教、性的指向を標的にしたものではなく、政権の一員になることを自ら選び、大統領の方針を擁護したことによる攻撃だったからである。
法的には政治的見解を理由に個人が所有する施設からの退出を命じることはできるが、市民レベルでこれが横行すると、国家として分裂の方向に進み、アメリカという国家に戻る可能性を減らすだろう。事件がもたらす影響が懸念される。今後は、残酷な政策を公然と擁護しているトランプ関係者に対して、より多くの人々が発言するようになるだろう。現実には、トランプ大統領が米国を彼の国(Trumpistan)に変えようとするのをただ静観するにはリスクが高過ぎるという見方が多い。
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