この訴訟は、ドナルド・J・トランプ財団の理事長としてのトランプ大統領、息子のドナルド及びエリック、そして娘のイワンカを告発している。提訴理由は、「大統領選や広範で違法な政治協調」を含む「十年以上にわたる不法行為の連続」としている。また「トランプ氏の個人的かつ事業上の利益に恩恵をもたらすための、反復的かつ意図的な私的取引」があったとしている。大統領は、財団の資産を「法的義務を履行し、ホテルや他の事業を促進させ、個人的な商品を購入するために」使用していると非難されている。
ニューヨーク州司法長官のバーバラ・アンダーウッド氏は、裁判所の監督下でトランプ財団を解体し、賠償金と追加罰金を合わせて2800万ドルの支払いを命じる特別手続きを開始した。
司法当局は、トランプ財団が、「大統領の指示と管理下で、2016年大統領選に影響を及ぼすような方法で」2800万ドルを上回る資金を違法に集めたと主張している。財団を「取締役会の監督を受けずに機能する空の殻のようなもの」と非難している。なぜなら毎年義務付けられていた取締役会を1999年以降一度も開催していないからだ。
トランプ氏は15日、2分の間に4回のツイッター投稿を行い、反論した。
大統領は、この訴訟を一部「魔女狩り」とたとえ、「でっち上げられているような犯罪も結託もない」と強調した。「たちの悪いニューヨークの民主党員、そして今では恥をさらしていなくなったエリック・シュナイダーマン(前司法長官)は、私を訴えるためにあらゆる手を尽くしている。財団は1880万ドルの収入があり、それ以上の1920万ドルを慈善事業に費やしている。私はこの訴訟に和解は示さない。」
シュナイダーマン前司法長官は、先月女性4人を暴行したとして辞任しており、後任にアンダーウッド司法長官が着任した。
大統領は次のように付け加えた。「ニューヨークでクリントン候補のキャンペーン活動を展開したシュナイダーマンは、勇気がなく、2年近く提訴を延期していた。恥をさらした形で退任し、我々が和解しないタイミングで後任が提訴している。」
トランプ側は、「トランプ氏や彼が支配している事業に利益をもたらした、少なくとも5件の違法な自己勘定取引を」を行ったことでも告発されている。以下のような案件が挙がっている。トランプ氏のリゾート、マーアーラゴに対する法的要求を解決するための10万ドルの支払い。2008年にトランプ・ナショナル・ゴルフクラブの法的要求を解決するための15万8,000ドルの支払い。マイアミのトランプ・ナショナル・ドラルで展示された肖像画を購入するためにチャリティーオークションで行った$ 10,000の支払い。
司法長官事務局によると、3件の取引について財団は消費税を支払い、これらの取引資金を財団に戻入れしたが、それは司法当局の調査開始後のことであった。
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